石破内閣が1日発足へ、27日に衆院選投開票で行う方針を表明…公明党とは連立政権合意に署名

 自民党の石破茂新総裁は30日、党本部で記者会見を行い、衆院選を10月27日投開票で行う方針を表明した。衆院を9日に解散し、衆院選公示は15日とする考えだ。石破氏は1日召集の臨時国会で第102代首相に指名され、皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て新内閣を発足させる。

記者会見で衆院解散の意向を表明する自民党の石破新総裁(奥左から3人目)(30日、東京都千代田区で)=西孝高撮影

 石破氏は「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要だと考えている」と強調した。首相就任から8日後の解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短となる。

 臨時国会では4日に所信表明演説、7~8日に各党との代表質問に臨む。野党は解散前に予算委員会などでの審議に応じることを求めているが、石破氏は「国会の判断に従いたい。国民に判断いただける材料をきちんと調える努力は続けていく」と語るにとどめた。自民内では、9日に党首討論を行う案が出ている。

 新内閣では、総務相に村上誠一郎・元行政改革相(72)、外相に岩屋毅・元防衛相(67)、財務相に加藤勝信・元官房長官(68)、防衛相に中谷元・元防衛相(66)を起用する。初入閣は13人に上り、厚生労働相に福岡資麿参院政策審議会長(51)、経済産業相に武藤容治・元経産副大臣(68)、デジタル相に平将明・元内閣府副大臣(57)、経済再生相に赤沢亮正財務副大臣(63)を登用する。赤沢氏は、石破氏が創設を掲げる「防災省」の設置準備も担当する。

 女性閣僚は、文部科学相の阿部俊子文科副大臣(65)、少子化相の三原じゅん子・元厚労副大臣(60)の2人。林芳正官房長官(63)と斉藤鉄夫国土交通相(72)は続投する。

 自民党は30日、幹事長に森山裕総務会長(79)、総務会長に鈴木俊一財務相(71)、政調会長に小野寺五典・元防衛相(64)、選挙対策委員長に小泉進次郎・元環境相(43)が就く新執行部人事を決定した。党最高顧問に麻生太郎副総裁(84)、副総裁に菅義偉・前首相(75)、組織運動本部長に小渕優子選挙対策委員長(50)、幹事長代行に福田達夫・元総務会長(57)、国会対策委員長には坂本哲志農相(73)を充て、平井卓也広報本部長(66)は続投することも決まった。

 石破氏はその後、公明党の石井代表と国会内で会談し、連立政権合意に署名した。合意文書には、派閥の「政治とカネ」の問題を踏まえ、政治への信頼回復に向け、不断の政治改革に取り組むことを盛り込んだ。

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