岸田首相がゼレンスキー大統領と会談、安全保障の機密情報交換で実質合意…首相に最高勲章

 【ニューヨーク=工藤彩香】岸田首相は23日午後(日本時間24日未明)、訪問先の米ニューヨークでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。両首脳は、両国で安全保障に関する機密情報の交換を可能とする「情報保護協定」の締結交渉が実質合意に至ったことを確認した。

岸田首相(左)とウクライナのゼレンスキー大統領(6月13日、イタリア南部プーリア州で)

 首相は会談で「日本は引き続きウクライナ支援を全力で進めていくことを改めて誓う」と述べ、10月に日本貿易振興機構(ジェトロ)のキーウ事務所が開所予定であることを説明した。ゼレンスキー氏は、対露制裁やウクライナ支援を主導した首相の功績をたたえ、同国の最高勲章である「ヤロスラフ賢公勲章第一等」を首相に授与した。

 首相はこの後、国連本部で、核兵器用の核物質の生産を禁止するカットオフ条約(FMCT)の交渉開始に賛同する「FMCTフレンズ」によるハイレベル会合を主催した。

 会合には、核兵器保有国の米英仏を含む12か国が参加した。首相は会合で、「交渉開始のための強い政治的な意志が必要だ」と訴えた。終了後、「核兵器のない世界を実現することは国際社会の共通の目標」と明記し、交渉の即時開始に向けて緊密に協力することをうたった成果文書を発表した。

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