中国側に日本と一定の関係築きたい狙いか トランプ氏を意識した外交に 日中首脳会談

ペルーを訪問中の石破総理は、就任後、初めてアメリカのバイデン大統領、中国の習近平国家主席と個別の会談をおこないました。会談の陰に見え隠れする人物は誰なのか、同行している中島記者の報告です。

記者(ペルー・リマ)
「日米・日中の首脳会談で、意識されたのが、ここにはいないアメリカのトランプ次期大統領です」

石破総理は日本時間のけさ、アメリカのバイデン大統領と初の対面での会談をおこない、その後、韓国の尹大統領を交えた日米韓3か国の首脳会談に臨みました。

アメリカ バイデン大統領
「この重要な3か国の会合への私の出席は最後だと思います。しかし、この連携の構築に貢献し、一翼を担えたことを誇りに思います」

石破茂総理
「『日米韓調整事務局』を活用しつつ、北朝鮮への対応はもちろんのこと、様々な分野で連携を緊密にしたいと考えております」

会談では、安全保障や経済分野などでの協力関係をさらに強化するため、日米韓3か国による調整事務局を新たに設置することを決定しました。

その後、石破総理は中国の習近平国家主席とも初めて会談し、中国との間にある様々な問題に懸念を伝える一方、「戦略的互恵関係」を推進することなどを確認しています。

習近平 国家主席
「新時代の要求に合致する建設的かつ安定的中日関係を構築することに取り組む」

ある外務省幹部は、「今回はかみ合った議論ができた」と話しますが、アメリカのトランプ次期大統領が中国からの輸入品に60%の関税を課す考えを示すなど、米中対立の激化が予想される中、中国側としては、日本と一定の関係を築きたい狙いがあるものとみられていて、各国は既にトランプ氏を意識した外交を始めています。

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