自民王国「和歌山2区」裏金問題で保守分裂 安倍派元幹部VS“大物”世襲 3人の野党候補は「自民王国」切り崩しを図る【衆院選2024】

衆議院選挙の投票日まであと2日。激戦区「和歌山2区」では、参議院からの鞍替えした安倍派の元幹部と、“大物”の世襲候補が激しい保守分裂選挙を展開しています。

無所属 世耕弘成 候補
「私も政治とカネの問題で大きな失敗をいたしました。離党してすべてを失いました。しかし諦めてはいません。全然諦めてはいません」

自民党・参院幹事長など要職を歴任し、安倍派の幹部も務めた世耕氏。しかし今年4月、派閥の裏金問題で離党に追い込まれました。

総理への意欲を示し、長らく衆議院への鞍替えを狙ってきましたが、立ちはだかってきたのがこの人。

自民 二階俊博 元幹事長
「選挙だってそうですよ、歩いた者が勝つんですよ。人に聞くなって、靴の裏に聞いてみろって。前は穴空くよ、穴空いたよ俺なんかも。穴空いた」 

連続当選13回、40年以上この地域に“君臨”してきた二階元幹事長です。二階氏もまた、自らが率いた派閥の裏金問題の責任をとって引退。後継者として自民党の公認候補となったのは、三男の伸康氏でした。

二階氏が引退し、千載一遇のチャンスとして鞍替え選挙に打って出た世耕氏に対して、ある党幹部は…

自民党幹部
「反党行為以外のなにものでもない」

そんな世耕氏が頼るのは、「政治の師」と仰ぐ安倍元総理でした。

無所属 世耕弘成 候補
「私にとって兄貴分であり、師匠である安倍さんの形見を身につけています。なんでしょう?靴なんです」

靴を託した安倍昭恵夫人も応援に駆けつけました。

安倍昭恵夫人
「(主人が)『世耕ちゃんのところに行ってあげて』と。どこかに主人の魂がこの靴の中にも残っているのかな」

安倍氏の“後継者”をアピールする世耕氏。

一方、二階伸康氏は白いスニーカーで地元を駆け回ります。

自民 二階伸康 候補
「『国土強靭化』とともに、私は『半島強靱化』。この言葉を打ち立てて、法律に明記して、そしてこの私たちの故郷を守るために、しっかりとした予算を確保して早急に対策を講じていく」

“裏金問題”は思いがけず、世耕氏の鞍替えと世代交代を同時に進める結果に。

自民 二階伸康 候補
「私と相手候補のポスターが同じ家の軒先に並べて貼られてある。もう胸が痛くなる」

こうしたなか、3人の野党候補は「自民王国」の切り崩しを図ります。

立憲 新古祐子 候補
「“裏金ブラザーズ”に対して戦いを挑むような形になっておりますが、若者の都市部への流出など問題が山積です」

立憲民主党の新古祐子氏は「地域活性化と防災・減災」を掲げ、女性活躍を訴えます。

立憲 新古祐子 候補 
「現場が本当に欲しい支援とか、現場が本当にしてほしいこと。そういうことがきちっと国のほうに訴えることができると私は思っております」 

共産党の楠本文郎氏は、減税や農水産業などの一次産業の支援を訴える一方で、この地域での長きにわたる自民党支配を批判します。

共産 楠本文郎 候補
「本当に今まで、41年の衆議院・二階俊博さん、26年の参議院・世耕弘成さん、何してたんだよ~」

また、諸派からは高橋秀彰氏も立候補しています。

「自民王国」で繰り広げられる大接戦。勝利を収めるのは誰なのか、有権者の判断まであと2日です。

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