解散前に「国会での議論」不要? 自民党総裁選 候補者9人討論会(3)【news23】

事実上の次の総理大臣を決める自民党の総裁選挙。「news23」では解散の時期、旧統一教会の問題、中国への向き合い方などについて、候補者に聞きました。

解散前に「国会での議論」不要?

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藤森祥平キャスター:
総裁になった場合の解散の時期についてお聞きします。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩:
小泉さんにお伺いします。早期解散を訴えられておりますけれども、総裁選挙でこういうディベートをやっているから国民に訴えは届いてるんだということと、国会をどう位置づけるかっていうことなんですけど。国会はやっぱり国政の最高機関、国権の最高機関ですので、そこで代表質問とか予算委員会をやって、国民に理解してもらう、評価してもらうというのが本筋だと思います。小泉さんは永田町の論理と言われましたけど、これは永田町の論理じゃなくて、私は憲法の論理だと思うんですね。ですからぜひ、予算委員会でディベートをやってもらいたいんですが、まさか野田さんとか枝野さんとの論争を避けようという意味ではないですよね?

元環境大臣 小泉進次郎(43):
全くありません。国会の議論は、星さんがおっしゃったように大事です。ただ、この総裁選も立憲民主党の代表選も、そして公明党の代表選も、これ、こんなこと今までないですよ。一気に9月に与党の二つの政党の代表が代わり、そして野党第一党も変わる。さらに今これだけ史上最長の総裁選をやっていて、我々が仮に、この9人のうちの誰かが総裁になったら、100万人から選ばれているんです、自民党員。しかし衆議院選挙になれば、有権者は1億人です。私はどちらの有権者の、また投票資格者の信を受けて、新たな政策を新たな政権が運んでいくべきかと考えたら、やはりこれだけ「政治と金」の問題も起こしてしまったのは我々自民党ですから。そういったことや、我々それぞれが訴えている政策・改革。これを国民の皆さんに信を問うて、その基盤の上に、政権は前に進みますっていうのは、これは一つの憲政の常道でもあるんではないでしょうか。

元幹事長 石破茂(67):
私はね、有権者の方々に判断していただける材料っていうのは、きちんと提供するのは政治の義務だと思っています。それはもう、特に我々政権与党は、それをきちんとお示しをしなければいかんのですね。本会議は当然のことです。予算委員会でどれぐらい時間が取れるか、これはこの場で言うことではない、国会が判断することですので。私はずっと国会を見ていて、例えば党首討論なんて見ていてね、野党のちっちゃな政党は3分とか5分とか。これで一体何の議論ができるんだって思っているのですよ。場合によっては党首討論ってこともあるのかもしれない。これは国会で考えることだから、私達はここでね、あれこれ言うことではないが、要は国民が判断していただける状況を作ること。でも新政権ができるわけだから、国民にご判断をいただくっていう時期は、適宜適切に判断をされなきゃいけないのも当然のことだと思っています。

旧統一教会と自民党の関係 再調査は?

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藤森キャスター:
次の総選挙についてのお話も流れで伺いますが、旧統一教会の問題も争点になるとみられます。9月17日、朝日新聞が2013年に安倍元総理が世界平和統一家庭連合の会長らと自民党本部の総裁応接室で面会した際のものだとする写真を入手して、掲載しました。自民党はこれまでの調査では、教団との組織的な関係はなかったと結論づけています。

小川彩佳キャスター:
そこで皆さんに伺います。こうした新しい報道が出ているという中で、ご自身が総裁になった場合に、教団との関係について何らかの再調査を行うという方がいらしたら、挙手をお願いいたします。
(※挙手なし)
再調査を行うという方はいらっしゃらない。茂木さんは幹事長の立場でいかがですか?

幹事長 茂木敏充(68):
この旧統一教会の問題については、全ての議員からアンケートをとりました。そしてアンケートを見て、私なりに不十分じゃないかっていう方、直接話を全員から聞きました。その中で調査をしましたけど、やっぱり漏れは出てました。そこは常に修正をすると。このようなこともしながら再発防止に向けた救済法を作らせていただいた。もちろん誰から見てもおかしいという事実が出てくればそうなんですけれど、会っていて何が起こったかということは今の時点では、私は確定できません。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩:
今回の件は、記事の通りだとすると、総裁室で選挙の前に選挙についての話をしたとみられるということなので、今まで自民党が言っていた組織と組織との関係はなかったということが崩れつつある一つの現象だと思います。ですから、ぜひ新しい総裁総理になられた方は、もう1回調べ直すということをやっていただきたい。これは私からのお願いです。

中国との向き合い方は?

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藤森キャスター:
今度は外交政策です。特に中国との向き合い方についてお聞きします。

小川キャスター:
小泉さんに伺いたいのですが、先日の討論会でこれまで中国を訪問する機会がなかったと。中国については1人独裁という言葉も発していらっしゃいますけど、総裁になられたら習近平国家主席とどのように向き合っていかれますか?

元環境大臣 小泉進次郎(43):
まず対中国を考えたときに、外交の基軸に日米同盟があり、そこの日米同盟をアメリカの大統領がどちらの方になられても強化、そして進化させること。そして決してここにくさびを打たせない、明確なメッセージを発することが大事なことだと思います。そして今、同志国が東アジア、またインド太平洋地域により目を向けて、この地域の平和と安定は、世界の平和と安定なんだというメッセージを共有しつつあります。

そして、日本、我が国としても、中国の様々な挑戦に対してしっかりと抑止をして、行動を変容させていく。そのための防衛力の整備を抜本的に強化をする。これは岸田政権で決めたことです。こういったことをしっかり伝えていった上で、個別案件、例えば、処理水の放出に伴うような日本の海産物の輸入の停止。こういったものを解決していくためには、協議を開いてオープンに向き合う場はもちろん必要なことだと思います。

小川キャスター:
トップ外交でということですか?

元環境大臣 小泉進次郎(43):
はい。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩:
小泉さんは総理総裁になられたら、靖国神社参拝しますか?

元環境大臣 小泉進次郎(43):
靖国も含めて世界の中で、その国のために戦って命を失った方に対する尊崇の念を表することは当然のことだと思います。総理になってからの私の判断というのは、適切に判断したいと思います。

小川キャスター:
現職の外務大臣でいらっしゃる上川さんは今の小泉さんのお答えをどのようにお聞きになりましたか?

外務大臣 上川陽子(71):
私は靖国を訪問いたしません。この点についてはまず申し上げたいというふうに思います。この日中の両国間でございますが、今尖閣諸島を巡る情勢を含めまして東シナ海情勢、数多くの課題、そして懸案がございます。様々な可能性も同時にあるわけでもございます。両国は地域と国際社会の平和と安定に対して、大国としての責任を有しております。

昨年は11月にサンフランシスコで日中首脳会談が初めて行われまして、確認をしたのが戦略的互恵関係を包括的に推進していくということであります。主張すべきは主張する。そして責任ある行動を強く求めつつ諸懸案を含めまして、対話をとにかく重ねること。このことが何よりも大事であるというふうに思っております。外相としても日中間で会合をすることができました。こうした色々な層におきましての対話、これを重ねてまいりたいというふうに考えております。

小川キャスター:
林さんは日中友好議連の会長を務められた経験もおありですけれども、中国にはどういった向き合い方が求められると今感じていますか?

官房長官 林芳正(63):
主張すべきは主張して、そして対話は常にトライをしなければならない。そしてパンデミックとか温暖化、こうしたグローバルな課題については、協力も模索をしていく。こういう建設的で安定的な関係を双方の努力でやっていく。これでずっとやってまいりました。

敵を知れば、そして己を知れば百戦危うからずという、これは古典なんですけれども、やはりああいう国がどういう仕組みになっていて、今の体制は10年前、20年前の鄧小平さんがいた頃の時代と比べて変わってきているのか。こういうことをしっかり踏まえながら、同志国と連携を密にしてやっていく。そのとき考えなくてはいけないのは、経済安全保障の切り口だと私は思います。

(「news23」9月17日収録)

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