衆院選10月27日投開票へ 閣僚全容固まる 自民は30日に新体制始動、副総裁に菅前首相

自民党の石破茂総裁(67)は29日、10月1日に召集される臨時国会で首相に就任後、9日にも衆院解散に踏み切り、「15日公示、27日投開票」の日程で衆院選を実施する意向を固めた。近く表明する。党役員人事では副総裁に菅義偉前首相(75)を充てることを決めた。幹事長に就く森山裕総務会長(79)は麻生太郎副総裁(84)と面会し、総務会長に麻生派の鈴木俊一財務相(71)の再登板が決まった。麻生氏は最高顧問となる。自民の新体制は9月30日に正式決定し、始動する。

10月1日に発足する石破新内閣の全容も固まった。外相に岩屋毅元防衛相(67)、防衛相に中谷元・元防衛相(66)を起用する。両氏は国防族として石破氏と親しい間柄にある。総務相には村上誠一郎元行政改革担当相(72)を充てる。

経済再生担当相には、石破氏最側近の赤沢亮正財務副大臣(63)が就く。農林水産相は小里泰弘首相補佐官(66)、経済産業相は武藤容治元経産副大臣(68)、法相は牧原秀樹元経産副大臣(53)、国家公安委員長は坂井学元官房副長官(59)がそれぞれ内定した。

経済安全保障担当相は城内実元外務副大臣(59)、デジタル相は平将明元内閣府副大臣(57)、文部科学相は阿部俊子元外務副大臣(65)、地方創生担当相は伊東良孝元農水副大臣(75)、復興相は伊藤忠彦元環境副大臣(60)を起用する。

厚生労働相は福岡資麿党参院政審会長(51)、環境相は浅尾慶一郎参院議院運営委員長(60)、こども政策担当相は三原じゅん子元厚労副大臣(60)を登用する。岩屋、中谷、村上各氏以外は初入閣となる。

石破氏は加藤勝信元官房長官(68)の財務相への起用と林芳正官房長官(63)の続投を決めており、公明党の斉藤鉄夫国土交通相(72)も続投となる。政務担当の官房副長官は、橘慶一郎元復興副大臣(63)と青木一彦元国交副大臣(63)とし、事務担当の副長官には佐藤文俊元総務事務次官(67)を充てる。

党人事では、国対委員長に、森山氏に近い坂本哲志農水相(73)、幹事長代行に福田達夫元総務会長(57)を起用する。

石破氏は、総裁選で争った小林鷹之前経済安保担当相(49)に党広報本部長就任を打診したが辞退された。高市早苗経済安保担当相(63)も総務会長への就任を固辞した。今回の人事は総裁選で石破氏を支えた功労者が要職に起用される論功行賞の色彩が濃く、党内対立の芽となりかねない。


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