海自護衛艦「すずつき」艦長が7月で交代 中国領海を一時航行、事実上更迭か

海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が7月に中国領海を一時航行したことを巡り、木原稔防衛相は24日の記者会見で、事案発生後の7月に艦長が交代したことを明らかにした。交代の理由は説明を避けたが、事実上の更迭とみられる。また、領海航行の事実関係については、自衛隊の運用に関わるとして改めて「答えを差し控える」とした。

日中外交筋によると、すずつきは7月4日早朝、中国・浙江省沿岸から12カイリ(約22キロ)の領海を約20分間にわたり航行した。中国領海に入ったことに気付いた海自基地が問い合わせると、艦長は「入ってはいけない地点まで進んでいるとは分からなかった」と応答した。

海自は、艦長が正確な位置を把握していなかったと判断。5月に就任したばかりだったが、7月に艦長職を解いた。日本政府は、艦長が正確な位置を把握せず誤って領海侵入したと中国側に非公式に伝えた。

国連海洋法条約では、沿岸国の安全を害する行為を行わない限り、領海を航行できる「無害通航権」が認められている。すずつきの航行も国際法違反に当たらない可能性が高いとみられる。

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