要人安全輸送、外交の一翼担う 空自特別航空輸送隊、海岡康成准空尉(54) 国民の自衛官 横顔⑦

政府専用機の運航クルーとして、90回に及ぶ国外運航を経験。我が国の外国・国際貢献活動に大きく寄与してきた。

自衛隊員を志したのは中学生の時。同級生が海上自衛隊を受験すると知り「あこがれていた飛行機に携われる」と、15歳で航空自衛隊の少年自衛官(現在は募集終了)に進むことを決めた。

4年の育成期間を経て、北部航空警戒管制団に着任。美保基地や入間基地などで国内定期輸送任務に従事した後、政府専用機の導入に伴い平成5年に千歳基地に編成された特別航空輸送隊の空中輸送員(客室乗務員)となった。

政府専用機が飛び立つのは、天皇、皇后両陛下や皇太子殿下の海外ご訪問や総理大臣などの政府要人の外遊など。日本のVIPの安全を預かる緊張感のある任務だが、心掛けているのは「外交などに影響を与えることなく、安全かつ円滑に任務を完遂すること」。笑顔を絶やさない人柄が、部下からの信頼にもつながっている。

プライベートでは緑化推進運動功労者として内閣総理大臣表彰を受けた間伐ボランティアグループ「札幌ウッディーズ」に所属し、森づくりに従事。

自宅がある北海道千歳市では独居高齢者の生活支援、少年補導員を務めるなど、地域活動にも力を入れている。(坂本隆浩)

ジャンルで探す