韓国大使との面談を断念 群馬・山本一太知事、朝鮮人追悼碑撤去巡り「条件合わず」

群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」内の朝鮮人労働者追悼碑を県が代執行で撤去した問題で、山本一太知事は27日、尹徳敏駐日韓国大使から求められていた面談について、条件面が合わず断念したと明らかにした。問題の性格上、県側が面談をフルオープンにしたいとの意向に対し大使側は難色を示し、結局折り合えず、25日に知事名の正式書簡で伝えたという。

山本知事は外交上、フルオープンの面談はあまり例がない点を認めたうえで、「これまでの経緯から冒頭のみを公開にして面談をクローズにした場合、その後の双方の見解が異なってしまうことはないか。ないと確信が持てなかった。それなら、すべて公開にした方が双方の言い分も県民や国民に伝わりやすい」と説明。そのうえで「今後も日韓の友好関係は日米、日欧と同様、群馬県にとって重要で、これで悪化することはない」と語った。

県によると、尹氏から「会って話がしたい」との意向が伝わったのは、今年3月22日。その後、事務レベルで日程や面談の扱いについて協議してきた。

追悼碑は平成16年、「政治的行事は行わない」との条件付きで市民団体に設置が認められたが、式典で「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などの発言があり、県は26年、許可を更新せず令和4年、最高裁で市民団体側の敗訴が確定。その後も協議は平行線をたどり、県は2月2日、代執行により撤去した。

山本知事は、この問題について「碑文に問題があるとは思っていないが、交わした条件に対するルール違反があり、最高裁まで争った上で出た結論に沿って行ったことだ」と繰り返し語ってきている。一方で撤去後、韓国内のテレビ報道などで報じられ、「日韓の友好関係に傷がついたのではないか」といった懸念も伝えられていた。

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