河野太郎氏、自民総裁選への出馬意欲を伝達 麻生派全体の支援得られるかが焦点

自民党の河野太郎デジタル相が、9月の党総裁選に立候補する意欲を周囲に伝えたことが分かった。複数の関係者が27日、明らかにした。所属する麻生派(志公会)は、河野氏が出馬した令和3年の前回総裁選は事実上の自主投票で、今後は河野氏が同派のまとまった支援を得られるかどうかが焦点となる。

河野氏は26日夜、東京都内の日本料理店で麻生派会長の麻生太郎副総裁と会食し、その際、立候補の意欲を示したとみられる。河野氏は27日、出馬意欲に関する報道について記者団に問われ、「面白い小説だ。飯を食っているときに何の話をしたか言ったことはない」と述べるにとどめた。

麻生派の中堅・若手を中心に、突破力が持ち味の河野氏に期待する声が上がる。だが、「脱原発」などを掲げてきた河野氏を警戒する声も派内に根強い。前回総裁選では、河野氏は関係が近い菅義偉前首相(無派閥)の支援を得て出馬したが、麻生派全体の支持は得られず、決選投票の末、岸田文雄首相(総裁)に敗れた。

岸田内閣の閣僚の河野氏が、首相が再選を目指す総裁選に立候補すれば異例の対応となる。また、唯一派閥を存続させた麻生派にとどまっている河野氏が、「脱派閥」を強く主張している菅氏から前回同様の支援を受けられるかも不透明だ。

麻生氏は、これまでのところ総裁選の態度を明言していないが、河野氏の出馬には慎重な考えを持っているとされる。同派ベテランは、河野氏を支持するかどうかについて「麻生氏がどう考えているかが最も重要だ」と述べた。(今仲信博、末崎慎太郎)

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