立民、次期衆院選へ正念場 過半数擁立厳しく…連立構想に活路

通常国会が閉幕し、与野党の関心は次期衆院選へと移る。政権奪取を目指す野党第一党・立憲民主党は選挙区で200人の擁立を目指し、さらなる上積みも視野に入れる。ただ、公認予定者は25日時点で181人(選挙区180人、比例代表単独1人)にとどまり、定数の過半数にあたる233人に届かせることは至難の業だ。党内では、衆院選で自民党を超える比較第一党の議席を確保し、他の野党との連立政権樹立を狙う戦略が有力視されている。

衆院3補欠選全勝で自信

「自民党と選挙区で競える人を選んでいるので、時間もかかっている。しっかり馬力をかけて進めていきたい。中身の伴った候補者を200人擁立する」

立民の岡田克也幹事長は25日の記者会見で、候補選びの現状をこう説明した。

4月の衆院3補欠選挙で全勝して自信を深めた立民は、強気の擁立姿勢に転じつつある。泉健太代表は今月21日の記者会見で、目標200人の上方修正に言及した。22日に開講した「りっけん政治塾」には約500人の応募があり、党は衆院選候補者の発掘につながることを期待する。

次期衆院選では、派閥政治資金パーティー収入不記載事件の影響で自民への逆風が予想される。岡田氏は会見で、不記載のあった自民衆院議員への対抗馬を「かなり立てている」とも強調した。

とはいえ、令和3年の前回衆院選では、立民が獲得したのが96議席だったのに対し、自民は追加公認を含め261議席を得ている。僅差で競り負けた立民候補が次期衆院選で逆転するケースはあるだろうが、上積みには限界がある。

泉氏は衆院選の「必達目標」として、選挙区と比例の合計で150議席を獲得すると打ち出している。ただ、仮にこの目標を達成したとしても、国会運営を主導できる絶対安定多数(261議席)には程遠い。そこで浮上しているのが他の野党との連立政権構想だ。

基本政策一致は困難か

泉氏は、日本維新の会や国民民主党を念頭に置いた非自民連立政権構想「ミッション(使命)型内閣」を掲げる。13日のニッポン放送番組では「立民だけで政権を担えないかもしれないが、政治改革や教育の無償化などでは合意できる。新しい政権を構成しようと呼び掛けている」と語り、構想の意義を訴えた。

ただ、維新、国民民主両党は、憲法、安全保障、エネルギーなどの基本政策の一致を図らない限り、ともに政権を構成することは困難という立場だ。これらの政策課題を巡って立民は根深い党内不一致を抱えており、他党との見解のすり合わせに臨むことができるかは見通せない。

国民民主の玉木雄一郎代表は25日の会見で、泉氏の番組での言及について問われ「政権は政治改革のためだけに存在しているわけではない」と突き放した。また、立民、国民民主両党を支援する連合が衆院選での連携を促していることを「最大限尊重している」としながらも、「基本政策は曲げられない」と重ねて主張した。(深津響)

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