「裏金もらってたか」「もっと国会で頑張ってほしかった」蓮舫氏と小池氏、笑顔の応酬

東京都知事選(7月7日投開票)に立候補した小池百合子都知事(71)、前参院議員の蓮舫氏(56)、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)が24日臨んだ東京青年会議所(JC)主催の公開討論会。蓮舫氏は小池氏に発言の誤りを重ねて指摘し、政治とカネで問題がないかけん制を繰り返すと、小池氏も蓮舫氏に「もっと国会で頑張ってほしかった」と返す。火花を散らした両氏だが、笑顔を崩すことはなかった。

原生林なのか人工林なのか

「前回討論したとき、小池さんは『神宮内苑を原生林、外苑は人工林』といった。その認識は今も一緒か」

蓮舫氏は質問相手に小池氏を指名すると、明治神宮外苑で計画される再開発事業を巡って、こう指摘した。

明治神宮はホームページ(HP)で「全国から献木された約10万本を植栽し、造成された人工林」と紹介しているが、小池氏は19日に日本記者クラブで候補者討論会を行った際、「原生林である内苑、外苑は人工林で、その点もよく理解されていない」と語っていた。

小池氏は「内苑の森は人が踏み入れることなく、天然更新されるというポイントがある。NHKも『人工的に作られた太古の原生林』という表現を使っていた」と述べ、前回の表現を修正した上で内苑の木々について人の手が入らない特徴を強調した。

蓮舫氏は「前回言われた内苑が原生林というのは完全なる噓だから。規制を緩和する都知事が言うべきではない」と述べ、原生林と人工林の違いに強いこだわりを見せた。その上で、政官財の癒着についてこうけん制した。

再開発事業者、パーティー券購入していないか

「まさか、外苑再開発の事業者は(小池氏の政治資金)パーティーのチケット購入はしていませんよね」

小池氏は「パーティー開催は法律にのっとった形で公表している」と述べるにとどめた。

蓮舫氏は小池都政の行政改革についても、不十分な点を列挙し、「行革、もっとやるべきではないか」と迫った。

小池氏は「都議会の審議で毎年度予算については立憲民主党の方々にも、ご賛同いただいた。いずれにしても70万件、公金を使っているものはホームページに出ている」と立民会派の賛同を得ているとの見方を示し、「(知事任期が満了する)今年度はなぜか反対に回られた」とけん制する。

蓮舫氏は小池氏に対し「都議会で答弁拒否の姿勢が目立つ。活発な議論が国会のように行われているとは思えないのが非常に残念だ。『70万件』も4年に1回だ。4年に1回ではなく毎年チェックした方がいい。これは専門性を持った私からの意見だ」と〝指南〟すると、小池氏は「アジャイル(機敏)に改善を重ねている」と説明したが、蓮舫氏は繰り返し、首をかしげて疑問視してみせた。

小池氏も突然、参院議員を辞めて都知事選に出馬した蓮舫氏に対して、こう皮肉を込める。

「蓮舫さんは国会の華」

「都民の命、暮らしを守るために、もっと野党が頑張ってくれればよかったのではないか」

蓮舫氏は「野党は頑張っているけど、与党がきかない。なぜなら、裏金に集中しているから」と返したが、小池氏は「その点でもっと蓮舫さんは国会で華ですよ。頑張ってほしかったですね─」と語った。

蓮舫氏は「今度は東京都の華になりたい」と述べた上で、小池氏がかつて在籍した自民党清和政策研究会(安倍派)を挙げて「ちなみに裏金もらっていましたか」と質問。小池氏は表情を崩すことなく、「ないですね。パーティー券を売らないと(派閥は還流分を)戻してくれないわけでしょ」と返した。

蓮舫氏は討論会の終盤に「小池さんの話はすごく勉強になって、私なら『もっとやれる』と思った。(内苑が原生林という)『噓』を改めてくれたのはありがたいが、やはり思いがそんなにないのかなと非常に残念に思った。行政改革、お金の使われ方にあまりご関心がないのかな」と重ねると、小池氏は「都政の概要をしっかりと都民に伝える必要がある、情報が十分伝わっていない」と返した。


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