「『教育』こそが最大の国防」 静岡「正論」友の会 元空将の織田邦男氏が浜松で講演

「静岡『正論』友の会」の第29回講演会が23日、浜松市中央区の浜松市地域情報センターで開かれ、産経新聞オピニオン面「正論」欄の執筆者で元空将・麗澤大学特別教授の織田(おりた)邦男氏が講演した。「ウクライナ戦争の教訓と日本の安全保障」と題し、目前に危機が迫る中でいま私たち日本人が知るべきこと、なすべきことは何かについて持論を語った。

織田氏はまず、2年以上にわたり隣国ロシアの侵略を受けているウクライナの状況を説明。その上で、ロシア、中国、北朝鮮という3つの核保有国と隣接する日本の厳しい安全保障環境について解説した。

日本の防衛の基本戦略には矛盾があるとし、「そうした矛盾の淵源(えんげん)には、非武装を想定した日本国憲法がある」との見方を示した。

「戦争は絶対に避けなければならず、そのためにはリアリティー(現実性)を持って、どう抑止できるかを考える必要がある」と指摘。「それを実現するための『教育』こそが最大の国防だ」と強調した。

織田氏は、国の安全保障の在り方を考える上で教育や情報は極めて重要とし、主権者である国民がこうしたテーマへの認識を深める必要があると語った。「安全保障は、国民一人一人が考える問題だ」と訴え、講演を締めくくった。

23日は小雨が降る中にもかかわらず、満席となる約170人が参加。織田氏の講演に熱心に聞き入っていた。

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