小池百合子都知事は特定候補を相手にせず 現職意識する蓮舫氏 少子化対策重視の共通点も

東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)の軸と目される2人の候補、現職の小池百合子知事(71)と参院議員の蓮舫氏(56)が18日、公約を発表した。小池氏は特定の対抗馬に言及せず、蓮舫氏は小池氏を強く意識するという違いが出た一方、いずれも少子化対策を重視した。

小池氏は2期8年の実績を強調、これまでの発展形として「東京大改革3・0」を掲げた。一方、特定候補の名前を挙げるのは避け、「チャレンジャーがたくさんおられる」と述べるにとどめた。

一方の蓮舫氏の公約は「7つの約束」と題しており、小池氏1期目の公約「7つのゼロ」を意識した内容に。小池都政からの転換を訴えたが、出馬表明で使った「リセット」などの強い言葉は避けた。

都の合計特殊出生率が初めて1を割り0・99まで落ち込んだことが明らかになって間もないこともあり、2人の問題意識は共通する。小池氏は、無痛分娩への助成制度新設など、「シームレスな支援をしてきた」(小池氏)と誇るこれまでの施策の隙間を埋める公約が目立った。学童保育の待機児童ゼロも目指していくという。

一方の蓮舫氏は、子育て世代の収入増による支援を強調。「結婚を選べない経済環境にある若者が増えている。なぜ8年もの間、若者に思いが至らなかったのか」とこれまでの都の施策に疑問を呈した。

防災についてはトーンの違いが出た。マンション防災や避難所改革といった近年の災害で課題となった問題への取り組みを強調した小池氏。外国からのミサイルの脅威への対策としてシェルター整備も掲げ、「首都防衛」という言葉を何度も使った。一方の蓮舫氏は、これまでの都の施策の良い点を引き継ぎつつ、避難所開設手順の総点検などに取り組むとした。

また、民間による再開発事業に一部から批判がある明治神宮外苑を巡っては、蓮舫氏が「再開発を見直して緑を守る」と強調し、争点化を明言。一方の小池氏は公約で触れることはなく、発表後の記者団の取材に「事業者が立ち止まり(都が)解を求めているところ」と述べた。

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