尖閣の海洋調査船が一時帰港 市長「上陸調査必要」 今夜第2便出港へ

尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域を調査する同市の海洋調査船が26日午後6時40分ごろ、石垣港に帰港した。同日深夜に、乗員を交代した上で再び尖閣に向けて出港する予定という。

海洋調査船には石垣市の中山義隆市長のほか、市から調査を委託された東海大の山田吉彦教授も乗船していた。魚釣島周辺で赤外線カメラを搭載したドローンを活用し、ヤギによる植生の食害など環境破壊の実態を調査したという。

政府は魚釣島への上陸を認めていないが、市は今回の調査を踏まえ、国に上陸調査を求める方針。中山氏は帰港後、「非常に有意義な調査だった。ドローンを使った調査には限界があり、上陸調査が必要だ」と強調した。

尖閣周辺の領海では26日も中国海警局の船2隻が相次いで一時侵入。領海侵入は2日連続となり、緊迫した状況が続いている。中国当局の船は昨年、尖閣周辺の領海外側にある接続水域で計352日も確認され、平成24年の尖閣国有化以降の最多を更新していた。

中国側は尖閣周辺に海警船を常駐させることで、尖閣周辺での管轄権の既成事実化を着々と進めているとみられている。

一方、沖縄県は「外交や安全保障などは国が対応すべき問題」としており、昨年7月、中国を訪問した玉城デニー知事は李強首相との会談で、中国が領海侵入などの挑発行為を繰り返す尖閣諸島に一切触れなかった。

中山氏は「尖閣は県の行政区域。上陸調査に向けて、県も要請をサポートしてほしい」と訴えている。

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