自民求める改憲原案起草委、設置メド立たず 本気度に疑問の声も

衆院憲法審査会は25日、自由討議を行った。自民党などが憲法改正原案を協議する起草委員会の早期設置を重ねて要求。しかし、立憲民主党は改憲に否定的な主張に終始した。立民抜きの起草委設置には踏み切らない自民の姿勢も背景にあり、実現は見通せていない。

「なぜ改正が必要かという話を繰り返すのではなく、どう改正するのかを具体的な条文で審議すべく、速やかに改正原案作成の起草委をスタートさせ、憲法審に提示いただきたい」

自民の山田賢司氏は憲法審で、大規模災害など選挙困難時に国会議員の任期延長を可能にする改憲原案作りを急ぐべきだと訴えた。任期延長の改憲には公明党や日本維新の会、国民民主党も理解を示している。

だが、党内や支持層に護憲派を抱える立民は反対論を展開し、膠着状態が続いている。

野党筆頭幹事の逢坂誠二氏(立民)は「(任期延長の)議論は非常に安易だ。とにかく何でもいいから憲法を変えればよいという議論に思われて仕方がない」と強調。過去の災害で選挙が困難となった実例に乏しいとして、改憲の必要性そのものに疑義を唱えた。

起草委を巡っては与党筆頭幹事の中谷元氏(自民)が重ねて設置を訴えているが、実現の目途は立っていない。憲法審終了後、中谷氏は記者団に「(立民から)全く答えがないという状況だ」と述べるにとどめた。

維新の小野泰輔氏は憲法審で「改憲をしないことが目的化している」と立民を批判。同時に、自民に対しても「(改憲を)本気でやるつもりがないならば、国民にはっきりと言うべきだ」と矛先を向けた。(末崎慎太郎)

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