リニアのボーリング長期中断「本気度疑われかねない」 山梨・長崎幸太郎知事、JR東海に苦言

山梨県の長崎幸太郎知事は25日の定例会見で、リニア中央新幹線南アルプストンネルでの「高速長尺先進ボーリング」調査が、機材メンテナンスを理由に、長期中断していることに対し、「中断を長引かせれば(リニア事業の)本気度を疑われかねない」と苦言を呈し、JR東海に早期の再開を求めた。

同ボーリングはトンネル予定地点の地質や地下水の状況を調べるためで、山梨県側で行われ、静岡県境まで459メートルの地点まで進んだ。だが、機材メンテナンスを理由に約半年、中断したままだ。

長崎氏は「(同ボーリングは)工事の安全を確保するために欠かすことができない」とし、リニア工期遅れの最大の要因となっている南アルプストンネルの掘削を、早期に進めるためにもボーリング早期再開が必要だとの認識を示した。

同ボーリングをめぐっては昨年5月、静岡県の川勝平太知事が、圧力差で静岡県の地下水が湧水として大量に山梨県側に流出してしまうとして山梨県内での調査中止を要請。これに対し、長崎氏が「科学的根拠がない」と川勝氏を批判するなど、リニア工事の中で焦点となっている案件だ。

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