塩谷立、宮沢博行、吉川赳氏…衆院3補選直前に静岡で相次ぐ不祥事 来月の知事選へ暗雲も

静岡県選出の自民党議員の不祥事が目立っている。23日には派閥パーティー収入不記載事件の責任を問われた塩谷立元文部科学相が離党し、宮沢博行前防衛副大臣は自身の女性問題を理由に議員辞職願を届け出た。公認候補を擁立した衆院島根1区補欠選挙(28日投開票)や、川勝平太知事の辞職に伴い5月9日に告示される県知事選への影響も懸念される。

「本人自身が政治家として説明責任を果たすことが重要だ」。岸田文雄首相(自民総裁)は24日の参院予算委員会の集中審議で、野党議員から宮沢氏のスキャンダルについて問われた際、苦しげにこう答えた。

宮沢氏は、妻ではない女性と金銭的な援助を伴う同居生活を送っていたことを週刊誌に報じられた。補選はただでさえ事件の影響で苦戦が伝えられている。党幹部は「派閥の裏金を女性に使ったと批判されかねない。さらに厳しい戦いになる」と頭を抱える。

静岡を地盤とする比例東海選出の議員には宮沢氏や塩谷氏に加え、18歳の女子大生に飲酒させたなどと報じられて自民を離党した吉川赳衆院議員もいる。吉川氏は記者会見を拒み、議員辞職もしなかった。

リニア中央新幹線工事への対応が焦点となる知事選は補選後初の大型地方選挙となる見通し。自民静岡県連は23日、知事選に立候補を表明した元副知事の大村慎一氏の推薦を求める上申書を党本部に提出。立憲民主党と国民民主党は前浜松市長の鈴木康友氏を推薦する方針を決めた。

静岡の戦いを落とせば岸田政権にとって痛手だ。自民内には鈴木氏への相乗り案もある。選対幹部は「いまは島根のことしか考えられない」と述べ、不祥事の影響や補選の結果を踏まえて対応を決める構えを示した。(永井大輔)

ジャンルで探す