衆院予算委、野党は衆院3補選にらみ政治改革で攻勢 立民「政権交代を目指す」

岸田文雄政権の命運を左右する衆院3補欠選挙(28日投開票)をにらみ、野党は22日の衆院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件などを巡って首相を追及した。報道各社による情勢調査では3選挙区いずれも立憲民主党の候補がリードしている。政治改革に対する首相や自民の消極姿勢を際立たせることで攻勢をかけている。

立民の岡田克也幹事長は予算委で「首相の危機感が足りない。自民だけの問題ではなく『政治そのものが嫌だ』という雰囲気を補選をしていても感じる」と批判した。さらに、森喜朗元首相に対する首相の聴取に記録が存在しないと聞き、「何もしていないのと一緒だ」と強調した。

同じく立民の大西健介氏は小林製薬の紅麹(べにこうじ)サプリメントを巡る健康被害問題や少子化対策財源に関する政府説明などを問題視。「姑息(こそく)な政治をまっとうな政治に変えるために、補選に勝利して政権交代を目指す」と宣言した。

共同通信社が20、21両日に行った3補選の情勢調査では、与野党対決となった島根1区で立民元職が先行。自民が候補擁立を見送った東京15区は立民新人がややリード、長崎3区も立民前職が優位に戦いを進めている。

東京15区で立民を追う日本維新の会の藤田文武幹事長も、使途公開の義務がない政策活動費について「選挙問わず現金配りの温床になっているのではないか」と首相に疑問をぶつけた。首相は否定したものの、藤田氏は「検証機能が『大自民党』にはない。そんな政党が日本のかじ取りしているのは危ない」と訴えた。(沢田大典)

ジャンルで探す