首相がG7・NATO出席へ 食料支援や対中議論主導

岸田文雄首相(自民党総裁)は26日からドイツを訪れ、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する。ロシアのウクライナ侵攻に対して結束を確認するとともに、ウクライナの穀物輸出が停滞し、アフリカ諸国などが食料危機に直面している問題を受け、日本として支援を表明。インド太平洋地域の脅威となっている中国や北朝鮮に関する議論も主導する。29日にはスペインで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席する。

「ロシアによるウクライナ侵略は世界の平和の秩序を揺るがす暴挙だ。こうしたことは世界のどこでも許してはならない」

首相は23日、松山市で演説し、こう訴えた。

サミットは対露制裁などに加え、ロシアによる黒海の港湾封鎖でウクライナの穀物輸出が滞っている問題を協議する。小麦などを輸入する中東・アフリカ諸国の食料危機や、世界的な価格高騰を起こしているためだ。

G7としては、西側諸国の経済制裁を原因とするロシアのプロパガンダ(政治宣伝)を払拭し、代替の輸送ルートの確保などで協力する方針だ。日本も国連食糧農業機関(FAO)などを通じ、ウクライナの穀物貯蔵庫整備や途上国への食糧支援を打ち出す方向で調整している。

中国をめぐっては、昨年6月のG7サミットで日米が主導し、首脳声明に「台湾海峡の平和と安定の重要性」を盛り込んだ。今回も明記する見込みで、中国の力による一方的な現状変更の試みを牽制(けんせい)したい考え。

日本は来年のG7議長国で、首相は被爆地・広島でのサミット開催を表明している。ウクライナに侵攻したロシアが核兵器の使用をちらつかせる中、首相は今回の会議でも広島開催の意義や核使用を許さない姿勢を訴える見込みだ。

一方、日本の首相がNATO首脳会議に出席するのは初めて。現地では日韓とオーストラリア、ニュージーランドによる4カ国首脳会談の開催も検討しており、中国を念頭に、法の支配など「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認するものとみられる。

ジャンルで探す