対中決議で野党、自民を突き上げ 通常国会の焦点

17日召集の通常国会の焦点の一つとなるのが、中国政府による新疆(しんきょう)ウイグル自治区などでの人権侵害行為を非難する国会決議の採択の行方だ。決議は昨年、複数の超党派の国会議員連盟が各党に働きかけたが、自民、公明両党が消極的だったため、2度にわたって採択は見送られた。主な野党は引き続き決議の必要性を訴えており、与党の姿勢が問われることになる。

「日本も、非難決議を早く出してほしい」

日本ウイグル協会のハリマト・ローズ副会長は14日、国会内で記者会見し、対中非難決議の国会での早期採択を求めた。共同で記者会見を開いた「ウイグルを応援する全国地方議員の会」は、日本政府に調査や抗議などの対応を求める意見書を採択した地方議会が昨年末時点で83に上ったことを明らかにし、国政レベルでの対応を求めた。

対中非難決議は2国会連続で足踏みが続いている。

昨年の臨時国会では、超党派「日本チベット国会議員連盟」などが採択を目指して動いたが、自民の茂木敏充幹事長は「タイミングの問題だ」として認めなかった。

主な野党は通常国会の開会を前に自民を突き上げている。日本維新の会の馬場伸幸共同代表は12日の記者会見で、「最後は自民がブレーキをかけている。(岸田文雄首相が対中外交の姿勢として示す)『言うべきことは言う』ということを守っていただきたい」と強調。国民民主党の玉木雄一郎代表は13日の会見で「自民がどう判断するかだ。われわれは用意ができている」と語った。野党第一党の立憲民主党も党内手続きを終えている。

決議を推進してきた自民の高市早苗政調会長は11日のBSフジ番組で決議案について「公明もペンを入れて自公で了解した内容であり、各党からも反対が出る話ではない」と説明。通常国会冒頭の採択に意欲をみせた。

ただ、自民党総裁である首相の考えは判然としない。首相は12日のニュースアプリ「NewsPicks(ニューズピックス)」の企画対談で、決議への対応を問われたが、「自由、民主主義、人権、法の支配、こういった基本的な価値は大事にしなければならない。中国をはじめ他の国にも尊重してもらう」と述べるにとどめた。

自民の閣僚経験者は通常国会での決議採択について「12月26日にクリスマスケーキが届くようなものだが、やらないよりましだ」と語った。(広池慶一)

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