首相が初の知事会出席 鬼門のコロナ対策 連携は

岸田文雄首相は26日、政府主催の全国都道府県知事会議に政権発足後初めて出席した。新型コロナウイルス対策をめぐり、菅義偉内閣では一部の知事と対立や意見の食い違いによって政権の体力が奪われた経緯がある。首相もコロナ対策を進めるうえで都道府県の協力は欠かせないだけに、地方重視の姿勢を示すことで関係を構築する構えだ。

「現場に多大なご苦労をお願いすることになるが、連携して対策を進めたい」

首相は26日の会議で、コロナワクチンの3回目接種や無料PCR検査の実施について、知事らの協力を求めた。知事会長の平井伸治鳥取県知事は「協力を惜しまない。コロナを乗り越え、新しい経済社会を取り戻す」と応じた。

当面、課題となるのが冬場に予想されるコロナの「第6波」だ。会議では、神奈川県の黒岩祐治知事が閣僚との意見交換で、感染急拡大に備え、ロックダウン(都市封鎖)的な手法の検討に加え、事業者への補償もセットで考えるべきだと主張した。山際大志郎経済再生担当相は「感染症危機管理の抜本的強化は極めて重要な課題。最悪の事態を想定した体制構築は必要だ」と応じた。

12月からワクチンの3回目の接種が始まるが、すでに2回目からの接種の間隔などについて、政府側の説明が不十分との指摘も地方側から上がっている。

コロナの感染拡大以降、過去の政権は知事との連携が「鬼門」となってきた。

菅氏はコロナの感染が急拡大していた1月、経済への打撃を懸念し、ギリギリまで緊急事態宣言の発令を慎重に判断する構えをみせたが、東京都の小池百合子知事ら1都3県の知事が政府に発令を要請。結局菅氏は宣言に踏み切ったが、知事に追い込まれた末の「後手」批判を浴びた。

ある知事経験者は「岸田政権では、国と地方が日常的に意見を交換する仕組みづくりが不可欠だ」と語る。コロナの感染状況は落ち着いているが、第6波が到来すれば政府と地方の関係が再び緊迫化する可能性もあり、首相が信条とする「聞く力」が問われることになる。(永原慎吾)

ジャンルで探す