岸田首相、最後の訪米スタート=クアッド・未来サミット出席

首相の主な訪米日程



【ウィルミントン(米デラウェア州)時事】岸田文雄首相は21日、政府専用機で米東部ペンシルベニア州のフィラデルフィア国際空港に到着した。デラウェア州ウィルミントン近郊で日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」の首脳会議に出席。その後、国連総会開催中のニューヨークに移り、地球規模の課題を議論する「未来サミット」で演説する。24日に帰国する。
首相は10月1日に退陣する見通しで、今回の訪米が在任中最後の外国訪問となる。同盟・同志国と協力を確認し、訪米の成果を新政権に引き継ぎたい考えだ。
首相は出発前、首相公邸で記者団に対し「クアッドで自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を一層深化させたい」と強調。「未来サミットでは平和で自由で豊かな世界の未来に向けた考え方を発信する」と語った。
ウィルミントンはバイデン米大統領の地元。到着後、首相は大統領と同氏の私邸で会談した。
クアッド開催は2023年5月の広島以来。岸田首相、大統領に加え、アルバニージー豪首相、モディ印首相が出席する。東・南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国を念頭に連携を確認し、共同声明をまとめる見込み。岸田首相は豪印首脳とも個別に会談し、2国間の協力継続を申し合わせる見通しだ。
ニューヨークでは22日に「未来サミット」に出席。23日には核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始に向けた友好国とのハイレベル会合を主催する。滞在中、ウクライナのゼレンスキー大統領ら各国首脳との個別会談を調整しているほか、金融関係のイベントに出席し、日本への投資を呼び掛ける考えだ。国連総会での一般討論演説は見送る。

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