国会議員所得2530万円=5年ぶり増加、1億円超は7人

政党別の議員所得平均



衆参両院は1日、2023年分の国会議員の所得等報告書を公開した。議員1人当たりの平均額は前年比374万円増の2530万円。増加は5年ぶりで、所得が1億円を超えた議員は7人に上った。政党別の平均は自民党が7年連続で首位となった。
今回の対象は23年の1年間を通じて在職していた衆院454人、参院240人。23年に行われた補欠選挙で当選した議員らは対象外。
平均所得が増加したのは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた歳費(月額129万4000円)の2割カットが22年7月末に終了し、23年は満額支給されたことが要因の一つ。所得1億円超の議員が前年の2人から7人に増えたことも影響した。
1億円超は全て自民議員。最多は元JPモルガン証券副社長の中西健治衆院議員で、同社株の売却益や配当金などにより7億4679万円を得た。鳩山二郎衆院議員(4億1701万円)、新谷正義衆院議員(1億3181万円)が続いた。
政党別の平均は、トップの自民が2811万円。所得総額の上位10人のうち8人を同党議員が占めた。神谷宗幣代表1人の参政党が2648万円で2番手。次いで国民民主党2367万円、日本維新の会2312万円、立憲民主党2247万円の順となった。
岸田内閣の閣僚の平均は2946万円。新藤義孝経済再生担当相の5360万円が最も多く、岸田文雄首相は3875万円で3番目。
衆参別の平均は衆院が2642万円、参院が2319万円だった。
新たに不動産や株式などの資産を増やした議員のみが申告する資産等補充報告書は219人(衆院135人、参院84人)が提出。役員報酬などを受けた企業・団体名を記載する関連会社等報告書も公開された。
所得・資産公開はリクルート事件など「政治とカネ」の問題を受けた政治改革の一環として、1992年に成立した国会議員資産公開法に基づき毎年実施している。洋上風力発電事業を巡る汚職事件で起訴された秋本真利衆院議員は対象だが、提出しなかった。



◇所得総額上位20人
1中西健治(1)自衆院神奈川3区74,679
2鳩山二郎(3)自衆院福岡6区41,701
3新谷正義(4)自衆院広島4区13,181
4逢沢一郎(12)自衆院岡山1区 12,650
5宮沢洋一(3)自参院広島12,581
6星北斗(1)自参院福島10,208
7葉梨康弘(6)自衆院茨城3区10,035
8松木謙公(6)立衆院北海道2区8,510
9後藤茂之(7)自衆院長野4区8,195
10中村喜四郎(15)立衆院比例北関東 7,459
11高木宏寿(3)自衆院北海道3区7,353
12古川俊治(3)自参院埼玉6,402
13世耕弘成(5)無参院和歌山5,997
14鈴木義弘(3)国衆院比例北関東5,886
15伊東信久(3)維衆院大阪19区5,442
16新藤義孝(8)自衆院埼玉2区5,360
17田中良生(5)自衆院埼玉15区5,167
18坂本哲志(7)自衆院熊本3区5,142
19阿部弘樹(1)維衆院比例九州5,000
20船田元(13)自衆院栃木1区 4,749
(注)敬称略。丸数字は当選回数。単位は万円で、1万円未満は四捨五入。自=自民党、立=立憲民主党、無=無所属、国=国民民主党、維=日本維新の会

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