参院補選・再選挙告示 結果は解散戦略にも影響 全敗なら政府与党打撃

 昨年9月の菅義偉政権発足後、初の国政選挙となる参院長野選挙区補欠選挙と広島選挙区再選挙が8日、告示された。近づく次期衆院選をめぐり、今国会中の衆院解散も取り沙汰される中、その結果が首相の解散戦略に影響を与えるのは必至だ。全敗となれば政権への大打撃となるだけに、与党は総力戦の構えだ。

 「ようやく(相手の)背中が見えてきた」

 自民党の竹下亘元総務会長は8日の竹下派(平成研究会)の会合で長野補選の情勢にこう触れ、同派所属の新人候補に勢いが出てきたとの認識を示した。今後、茂木敏充外相や河野太郎ワクチン担当相ら閣僚も応援に入る予定だ。

 ただ、同補選は立憲民主党の羽田雄一郎氏の急逝に伴う「弔い選挙」。実弟が立民の新人で出馬し、父の孜元首相の知名度と地盤を背景に当選を目指す。「長野では『羽田』という名前だけで強敵」(竹下氏)とされ、自民幹部は「背中が見えても、手が届いているわけではない」と厳しい戦いが続くとの認識を示す。

 公職選挙法違反で有罪判決が確定した河井案里前参院議員(自民離党)の当選無効に伴う広島再選挙は自民にとって大きな逆風下での戦いとなる。広島県連会長の岸田文雄前政調会長は8日、広島から岸田派(宏池会)の会合にオンラインで出席し、「最後の最後まで大変厳しい選挙が続く」と危機感をあらわにした。

 令和元年参院選では、岸田派の溝手顕正元国家公安委員長が河井氏らに敗れただけに、同派は「議席奪還」に向け派を挙げて準備を進めてきた。3月27日には岸田氏が選挙の陣頭指揮を執る県連会長に就いたが、派内からは「負ければ全責任を岸田氏に押し付けられる」との懸念も漏れる。

 そうなれば次期総裁選出馬に意欲を示す岸田氏の前途に影を落とすことになるが、自民が維持してきた議席を失うという意味では影響は政権にも及びうる。首相が解散をためらい、「追い込まれ解散」となる可能性もあり、与党幹部は「もし広島で負ければ政権にとって大きなダメージだ」と述べた。(力武崇樹)

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