G20、法人税率引き下げ競争に歯止め ワクチンや気候変動で途上国支援も

 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁は7日夜のテレビ電話会議後に公表した共同声明で、多国籍企業の過度な税逃れを防ぐため法人税に世界共通の最低税率を設けるルール作りで「2021年半ば」までの合意を目指す方針を明記した。新型コロナウイルスの感染長期化を受けた途上国支援では債務返済期限の再延長で合意。8日に国際通貨基金(IMF)が開く各国財務相らによる会議でも、途上国の外貨不足に備えた特別引き出し権(SDR)の拡充を議論する。

 G20議長国イタリアのフランコ経済財務相は記者会見で「世界的に公正で持続可能な国際税制の実現に向け引き続き協力する意思を再確認した」と説明した。

 国際的な法人課税を見直す「デジタル課税」交渉は米IT大手などの負担増を嫌うトランプ前政権時代に停滞したが、国際協調を重視するバイデン政権になり合意の機運が高まった。コロナ対策の財源確保で米国や英国が相次いで法人税増税を表明したこともあり、先進国で長年続いた企業誘致のための法人税率引き下げ競争は潮目が変わった。

 また、G20共同声明では途上国の債務問題で、返済猶予の期限を今年6月末から12月末に延長。ワクチン確保が遅れた途上国向けに国際社会が共同購入する国際枠組み「COVAX(コバックス)」への資金拠出を支持し、世界的な感染収束に向け協力することで一致した。気候変動対策でも、途上国に排出削減技術の導入に向けた金融支援を実施する方針を明記した。

 一方、IMFは途上国で対外的支払いに充てる外貨が不足する事態に備えSDRを加盟国全体で6500億ドル(約71兆円)拡充し、各国に追加で割り当てる方針を表明している。8日の会合ではこれを支持し、拡充に伴う途上国支援強化についても協議する見込み。

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