女帝・小池百合子とコロナ。東京の未来を占う2021年都議会選告示日

「小池ブーム」から約4年。この間の都政に対して都民の審判が下る東京都議会選挙が間もなく投開票を迎える。これまで日本の首都を私物化してきたうえ、コロナ禍でもまともな対策を打ち出せずに処置が遅くなった小池都政について、前都知事である舛添要一氏がその問題点を語る。

都民の命を脅かし続けている東京都のお粗末なコロナ対策

今回は、この1年間でまったく進歩しなかった都のコロナ対策について私見を述べていきたいと思います。

自ら創設した「都民ファーストの会」が都議会第一党であるがゆえに、小池氏はコロナ禍でも「パフォーマンス」を最優先させることが可能となり、肝心の感染対策は1年経ってもおざなりなままです。

最近、さすがに対策の遅れに危機感を覚えたのか、慌てて築地市場跡地に東京都独自の大規模ワクチン接種会場を設置しました。

ただし、ここは東京五輪の際に車両基地として使用される予定で、1回目の接種はできても2回目の接種は別の会場を用意しなければなりません。これでは、準備も二度手間となるうえ、1回目の接種に来た人たちを無駄に混乱させてしまう可能性があります。

▲移転した旧築地市場の跡地 出典:PIXTA

おそらくこれは、小池氏の焦りと、築地市場跡地をうまく活用しているように「見せる」ことで、イメージアップを図ろうという浅はかな考えが生み出した失敗なのでしょう。

それから間もなく小池氏は、代々木公園を大規模ワクチン接種会場にし、五輪中継を見るためのパブリックビューイング(PV)としては使わないと決定。PVでの使用を批判されたこともあり、付け焼き刃の対応でその場を取り繕おうとしたのだと思います。この一連の動きで、彼女には危機管理は無理だと確信しました。

そしてもう一つ見過ごせないのが、新型コロナ感染者のうちホテル療養とされた人たちの扱いです。都が用意した宿泊施設では看護士が常駐しているものの、基本的に「医療行為」を受けられるわけではありません。そして、呼吸が苦しくなり、いよいよ危険な状態とならなければ医療行為が受けられる病院に移してもらえないといいます。

私のところにも、ホテル療養から病院に移ったときには、すでに肺炎になっていたという人の声が届いています。結果的には一命をとりとめたからよかったものの、同様のケースで助からないということも十分考えられます。

貯金は残り21億円――“仕方ない”で済ませていいのか

このようにお粗末なコロナ対策ばかりの現在の都政ですが、21年5月末現在の東京都の貯金はたった21億円と、ほぼ底をつきかけています。ちなみにコロナ前は1兆円近くありました。

長期にわたって協力金を支払う状況となっているなど、仕方のない部分があるのは事実です。

しかし、ワクチン接種会場で来場者を整理する係員が不足しているといわれているなかで、飲食店に対して自粛をお願いして回る人員の確保を優先させるなど、お金の使い方がずれている部分も多々あります。また、時短要請に応じたのに協力金が支払われていないと嘆く飲食店の声も聞こえてきます。

やはりこれも、都知事が自分の支持率を上げるために「何かをやっている感」を出すことだけに一生懸命になっているからでしょう。

▲時短要請に応じたのに協力金が支払われていない飲食店も イメージ:PIXTA

現在の都知事に都民の命と生活を守るという意識はない

今回の東京都議会選挙は、こうした状況が変わるかどうかの重要な分岐点となります。しかし気になるのは、新聞社が行う世論調査で、いわゆる無党派層のなかでは小池氏の支持率が高い傾向にあることです。

あれだけ新聞やテレビで小池氏の「伝えたいことだけ」を垂れ流していれば、ある意味では当然なのかもしれませんが、ここはひとつ冷静に過去を振り返るべきです。

決して大げさではなく、東京都知事は都民の命と財産を握っています。都議選を迎えるにあたり、都民の方々はそのことを改めて意識する必要があるのではないでしょうか。

今年の6月に入ってもなお、小池氏は会見の場でカエルのイラストと共に「8時にはみんなかえる」などという“紙芝居”を続けています。都民のIQがよほど低いと思っているのでしょう。

所詮、彼女の中で都知事という立場は目立つためだけの踏み台であり、そこに都民の命と生活を守るという意識はないのです。


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