石破首相、岸田前首相に秋波? 肝いり議連の申し入れで連携強調

自民党・資産運用立国議連会長の岸田文雄前首相(中央左)から提言書を受け取る石破茂首相(同右)=2024年11月26日午後5時21分、首相官邸、岩下毅撮影

 石破茂首相は26日、首相官邸で岸田文雄前首相と面会し、岸田氏が会長を務める「資産運用立国議員連盟」の提言を受け取った。長く党内非主流派の立場にあって党内基盤が弱く、少数与党としても難しい政権運営を強いられる石破氏としては、前首相の岸田氏の力を頼りたいとの考えがのぞく。党内外への影響力の維持を図る岸田氏の思惑も重なる。

 岸田氏は個人型確定拠出年金「iDeCo」の改革と拡充、「新NISA」(少額投資非課税制度)の利便性向上などを提言し、笑顔で「どうかしっかり受け止めて、前向きに取り組んでいただければと期待している」と求めた。石破氏は神妙な面持ちで「議連の皆さま方の思いを十分受け止め、与党と一緒に話を進めていきたい」と応じた。

 提言後、記者団から少数与党となった現状について問われた岸田氏は、「国内外に重要な課題山積のとき、石破政権にはぜひ頑張ってもらわなければならない」とエールを送った。「ヨーロッパ諸国のほとんどが少数与党だ」と指摘したうえで、「政府・与党が知恵を出して、何よりも国民の皆さんのために結果を出す政治を実現していかなければならない」と語った。(南有紀)

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