旧統一教会問題、与野党8党が回答 衆院選で全国弁連の公開質問状に

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる公開質問状に対する各政党の回答について記者会見する全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士ら=2024年10月16日午後2時20分、東京都千代田区、北野隆一撮影

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係や被害救済に関して、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は16日、公開質問状への主要8党の回答を公表した。全党から回答があったという。

 自民党は、幹事長室名で回答。党所属国会議員に点検・報告を実施し、党運営の指針となる「ガバナンスコード」を改定したことに言及。2022年10月に改定した際、旧統一教会や関連団体と一切関係を持たないという方針を反映させたことを踏まえ、「今後もこれを遵守(じゅんしゅ)した政治活動を徹底します」との回答だったという。

 その他の党では、公明党は「国会議員と旧統一教会の関係は当然断絶されるべきだ」と回答。教団への解散命令が出された場合、その後の被害者救済について立憲民主党は「財産が散逸し被害救済できないことを避けるため立法化が必要」、日本維新の会は「解散命令前でも財産秘匿や散逸を防ぐことが重要」と答えた。

 記者会見した全国弁連の紀藤正樹弁護士は「これまでは与党からの回答がなかなか得られなかったが、今回は全政党から回答があった。問題の重大性に気づいて一定の判断をしてくれたと思う。選挙後の新しい国会では、過去の検証と再発防止の観点から政策立案をしてほしい」と述べた。

 衆院選については、全国弁連代表世話人の山口広弁護士が「教団との関係があったと言われた議員が選挙中、どのように反省した言及をするか、注目してほしい」と有権者に呼びかけた。(編集委員・北野隆一)

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