衆院選和歌山2区、世耕氏が立候補表明 自民の二階氏と保守分裂に

記者会見を開いて、衆院選和歌山2区への立候補を表明する世耕弘成氏=2024年10月5日、和歌山県田辺市文里2丁目、榊原織和撮影

 自民党派閥の裏金事件を受けて離党した参院議員の世耕弘成・前党参院幹事長(61)が5日、記者会見を開き、次期衆院選の和歌山2区に無所属で立候補することを表明した。

 同区には裏金事件を受けて引退を表明した二階俊博元党幹事長の三男・伸康氏(46)が自民党から立候補する見込みで、「保守分裂」の構図となる。

 和歌山2区には、前県議の共産党の楠本文郎氏(70)と元総務省職員の本間奈々氏(55)も立候補を表明している。

 世耕氏はこの日、和歌山県田辺市のホテルでの会見で、官房副長官や経産相などを歴任した政治経験を強調。「チャンスを頂けるのか、有権者の声に耳を傾けたい」と述べた。

 裏金事件について、ルール違反や政治不信を招いたことを「深く反省している」と謝罪。参院政治倫理審査会に出席したことや検察の捜査で不起訴になったことを挙げる一方、「街頭でもどこでも質問が出れば答える」と述べた。その上で、政治とカネの問題について「透明性を高める」ことを訴えるとした。

 和歌山は「10増10減」の区割りの変更で小選挙区が3から2に減り、新しい2区には二階俊博氏の地盤が含まれる。伸康氏と議席を争うことについて世耕氏は「政治経験がある私か、新人の方を選ばれるかは有権者の判断」とし、将来的な復党については「された方はたくさんいる」と述べた。

 一方、自民党県連は世耕氏が会見の日時を設定した4日に談話を発表。離党勧告処分を受けた世耕氏が、党の公認候補と争うことは「重大な党規違反に準ずる行為」などと主張し、仮に当選した場合の復党の可能性について「党規をないがしろにする脱法的行為」と批判した。(松永和彦)

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