能登豪雨を激甚災害に指定へ 石破首相、朝市や浸水した仮設住宅視察

能登半島地震で起きた火災で焼失した「朝市通り」付近を視察する石破茂首相(中央)=5日午前10時13分、石川県輪島市、代表撮影

 石破茂首相は5日、石川県を訪れ、能登半島地震や9月の記録的な大雨による被害の状況を視察した。首相は9月の大雨について、復旧事業費の国の補助率引き上げなどの対象となる激甚災害に指定する考えを明らかにした。政府は10月中旬をめどに追加の予備費の支出を決定する方針で、首相の視察の内容も反映させる。

 首相の地方訪問は、就任後初めて。同日午前、馳浩知事らとともに輪島市を訪れ、大雨で複数の住宅が流された現場や、浸水した仮設住宅、地震後の大規模な火災で焼失した輪島朝市などを視察した。午後は珠洲市に移動し、浸水した仮設住宅や土石流の現場で被害状況を確認した。

 「防災庁」の設置を持論とする首相は、4日の所信表明演説で「人命最優先の防災立国を構築しなければならない」と語った。5日の視察後も記者団に、「内閣府の外局たる防災庁の創設を図るため、担当大臣を任命した。本当に困ってる人々が、どこで何が起きても同じ支援が受けられるよう、内閣として尽力していきたい」と述べた。衆院選も控える中、就任早々に能登半島を訪問することで、新政権として防災行政に注力する姿勢を強調した。(宮脇稜平)

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