都議会閉会、377億円の補正予算成立 消費喚起策「不公平」指摘も

東京都

 東京都議会第3回定例会は4日、物価高対策を盛り込んだ377億円の補正予算案など知事提出の計90議案を可決し、閉会した。

 この日は各会派が議案などへの意見を表明する討論があった。都知事選で小池百合子氏を支持した自民党、都民ファーストの会、公明党からは、子ども医療費助成の所得制限撤廃などの実現を評価する声が上がった。

 一方、共産党はQRコード決済を使った消費喚起策について「多く消費し、QRコードを使わなければ何の恩恵もない。最も支援しなければならない低所得者らが取り残される」と批判。立憲民主党も「得をするのは近隣県のアクティブな消費者と都内の大型店で、都民にとって不公平」と疑問を呈し、効果の検証を求めた。(太田原奈都乃)

■副知事に松本明子氏 5年ぶりの女性起用

 東京都議会は4日、副知事に環境局長の松本明子氏(59)、教育長に政策企画局長の坂本雅彦氏(59)を起用する人事案に同意した。いずれも15日付の就任で、任期は副知事が4年、教育長が3年。潮田勉副知事と浜佳葉子教育長は退任する。

 女性の副知事は5年ぶり。松本氏は1989年に入庁し、今年3月末まで産業労働局次長を務め、女性が働きやすい環境づくりを担当していた。小池百合子知事は女性活躍の推進を3期目の公約の柱に掲げており、同日の定例会見で「誰もがいつまでも輝ける持続可能な都市にするために、全庁的な視点で取り組みを進めてもらいたい」と期待を示した。

 坂本氏は2021年10月から産業労働局長を務め、コロナ禍の中小零細企業支援や観光振興などを手がけた。今年4月から都の重点施策を担う政策企画局長に就任していた。(太田原奈都乃)

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