くす玉割り、万歳三唱 石破氏の地元では郷土からの初首相誕生を祝う

石破首相が誕生し、くす玉を割って祝う地元の町民ら=2024年10月1日午後2時16分、鳥取県八頭町、清野貴幸撮影

 自民党の石破茂総裁=衆院鳥取1区=が1日、第102代首相に就任した。鳥取県内でも、初の県出身者の首相誕生を祝った。

 出身地の鳥取県八頭(やず)町は町内の交流施設でパブリックビューイング(PV)を企画し、詰めかけた町民50人余りが衆院本会議のテレビ中継を見守った。石破氏が首相に指名されると、全員でクラッカーを鳴らして祝福。くす玉が割られ、万歳を三唱して喜んだ。

 町民の松尾緑さん(63)は「(指名の瞬間を)見られてうれしい」。石破首相に望むことについては「国民のために、信じた道を貫いて頑張ってほしい」と話した。

 吉田英人町長は、「(石破)先生はこれまで、地方の声を国政にと頑張ってこられた。全国の地方の皆さんの願いがかなった」とあいさつした。

 町は「祝 石破茂氏 内閣総理大臣就任」と大書した垂れ幕(縦8メートル、幅80センチ)を役場に掲げて祝福した。

 石破氏の事務所は同日夕、首相就任を祝う会を鳥取市内のホテルで開き、300人以上が万歳を三唱するなどして祝った。女性支持者でつくる「東部さつき会鳥取市」の西川八重子会長は取材に対し、「長い間待っていた私たちにとって最高の日。と同時に責任重大で大変だとも思っている」と喜びを語った。

 平井伸治・鳥取県知事は県庁で報道陣の取材に応じ、石破氏に期待することとして「人口問題」を挙げ、「東京一極集中を是正し、東京も地方も栄える方向性を見いだすことは可能だと思う」と求めた。

 また、石破氏が自民党総裁選で強調していた「防災省」構想にも期待を寄せ、「ぜひ現場自治体と協調できる新たな災害対策の姿をスタートしていただきたい」と述べた。

 一方、首相指名前に衆院の解散を表明したことについては、「第一印象では違和感はあった」とした。だが、石破氏が「全国の選挙管理委員会などの選挙準備の観点から解散を表明した」と説明したことをふまえ、「むしろ納得をした。石破総理らしく真っ正直に理由を語られたと思った」と、理解を示した。(清野貴幸、奥平真也)

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