立憲「次の内閣」、女性過去最多の8人起用 枝野氏は党最高顧問に

記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表(中央)=2024年9月30日午後4時32分、東京都千代田区神田駿河台、松井望美撮影

 立憲民主党の野田佳彦代表は30日、政権奪取を目指した各政策分野の責任者「次の内閣(ネクストキャビネット=NC)」の人事を発表した。女性や若手・中堅を積極的に起用しつつ、代表選の決選投票で争った枝野幸男元代表の陣営も登用。党内バランスに配慮した。

 政権担当能力をアピールしようと、民主党政権で政務三役を担った議員を8人起用した。国土交通相の在任期間が4カ月にとどまった馬淵澄夫氏を除き閣僚経験者の登用は見送り、若手・中堅にポストを与えた。女性は過去最多の8人。代表選に挑んだ吉田晴美衆院議員も1期生ながら「ジェンダー・共生・孤独孤立担当相」に抜擢(ばってき)した。

 野田氏は、枝野氏を党最高顧問に据え、人事を通じ党内融和を図りたい考え。NCの布陣では、代表選で支援を受けた重徳和彦政調会長を「官房長官」、階猛・元総務政務官を「財務金融相」に置く一方、枝野氏に近い近藤昭一・元環境副大臣を「環境相」で続投、福山哲郎・元官房副長官を「安全保障相」に据えるなどの配慮をした。代表選で争った泉健太前代表の時のNCメンバーも残し、衆院選に向け継続性も重視した。

 野田氏は記者団に「一定の経験を持った人たちに安定感を発揮してもらう一方、政策作りで刷新感も併せ持たなければいけない」と強調。10月1日に「初閣議」を開き、衆院選に向け公約づくりを急ぐ方針を示した。

 ただ、自民党の石破茂新総裁が「27日投開票」の方針を表明した中、立憲内では「選挙が迫る中、いまや党の役職にはあまり意味はない」(党中堅)との声も出ている。

■「次の内閣」の全容は次の通り(松井望美)

■立憲民主党が設置した「次の内閣」(敬称略)

首  相   野田佳彦

官房長官   重徳和彦

内閣府・防災・国家公安

       杉尾秀哉

経済財政   馬淵澄夫

地方創生・消費者・沖縄北方

       石川香織

ジェンダー・共生・孤独孤立

       吉田晴美

子ども政策  西村智奈美

デジタル・行政改革・公務員改革

       牧山弘恵

復興・福島再生 岡本章子

総  務   野田国義

法  務   打越さく良

外務・拉致問題 渡辺周

財務金融   階猛

文部科学   牧義夫

厚生労働   山井和則

農林水産   金子恵美

経済産業   田嶋要

国土交通   小宮山泰子

環  境   近藤昭一

安全保障   福山哲郎

税制調査会長 大西健介

憲法調査会長 逢坂誠二

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