麻生氏が最高顧問、過去に岸信介氏らの名も 党役員・閣僚人事の全容

自民党本部に入る麻生太郎副総裁=2024年9月27日午後0時43分、東京・永田町、杜宇萱撮影

 自民党の石破茂新総裁による党役員・閣僚人事の全容が29日、判明した。党最高顧問に麻生太郎副総裁(84)を充て、総務会長には鈴木俊一財務相(71)を起用する。1日に発足する新内閣では、いずれも防衛相経験者の岩屋毅衆院議員(67)を外相に、中谷元衆院議員(66)を防衛相に起用。こども政策担当相は三原じゅん子・元厚生労働副大臣(60)で、初入閣となる。

■組織運動本部長に小渕氏、小泉氏は選対委員長

 幹事長に内定している森山裕総務会長(79)が同日、都内で麻生氏と会談した。関係者によると、森山氏から最高顧問を打診し、麻生氏は応じる意向を示したという。総裁選の決選投票で高市早苗経済安全保障相(63)を支持した麻生氏を処遇し、党の最高意思決定機関である総務会のトップに麻生派の鈴木氏を充てることで挙党態勢を演出する。過去には首相経験者の岸信介氏、福田赳夫氏らが最高顧問を務めた。

 また、組織運動本部長に小渕優子選挙対策委員長(50)、国会対策委員長に坂本哲志農林水産相(73)を充てる。副総裁に菅義偉前首相(75)、政調会長に小野寺五典元防衛相(64)、選対委員長に小泉進次郎元環境相(43)はすでに内定している。

■文科相に阿部俊子氏、三原じゅん子氏も初入閣

 閣僚人事では、裏金問題で政治資金収支報告書の不記載が発覚した議員は起用しない方向だ。

 外相の岩屋氏、防衛相の中谷氏はいずれも石破氏に近く、外交・安全保障を重視する姿勢を打ち出した。石破氏が主張する日米地位協定の改定やアジア版NATO創設の実現に向けた交渉を担当する。女性閣僚は三原氏のほか、文部科学相に阿部俊子・文科副大臣(65)を起用する。

 総裁選で石破氏の推薦人となった村上誠一郎元行政改革相(72)は総務相、小里泰弘首相補佐官(66)は農林水産相、平将明党広報本部長代理(57)はデジタル相、赤沢亮正財務副大臣(63)は経済再生相に充てる。

 法相に牧原秀樹(53)、厚生労働相に福岡資麿(51)、経済産業相に武藤容治(68)、環境相に浅尾慶一郎(60)、復興相に伊藤忠彦(60)、国家公安委員長に坂井学(59)、経済安保相に城内実(59)、沖縄・北方担当相に伊東良孝(75)の8氏が就く。

 安全保障担当の首相補佐官には長島昭久衆院議員(62)が就く。官僚トップの事務の官房副長官は佐藤文俊・元総務事務次官(67)を起用する。政務の官房副長官は橘慶一郎衆院議員(63)と青木一彦参院議員(63)が内定している。

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