自民総裁選「三すくみ」状態 石破・小泉・高市3氏、強みと弱み交錯

演説会の終わりには自民党総裁選の候補者らが壇上で手をつなぎ、「がんばろう」を三唱した=2024年9月18日午後7時11分、大阪市北区、岡純太郎撮影

 27日に投開票を迎える自民党総裁選は、いずれも無派閥の石破茂元幹事長(67)、小泉進次郎元環境相(43)、高市早苗経済安全保障相(63)が激しく争う展開だ。3候補のうち上位2人による決選投票へ進むのがほぼ確実な情勢で、議員票をめぐる水面下の駆け引きが過熱している。

 先行する3人は、報道各社の世論調査で上位に名を連ねる。朝日新聞の9月の調査では「次の総裁にふさわしい人」の質問で、石破氏が26%、小泉氏が21%、高市氏が11%の支持を集めた。

 党員・党友による地方票は、5回目の挑戦となる石破氏がトップを走っているとみられる。「選挙の顔」として期待される小泉氏が12日の告示後から失速する一方、タカ派色が強い高市氏は保守層の支持を集めて勢いを増している模様だ。

 党員・党友の投票は26日に締め切られるが、郵送のため、24日までに大半が投票を済ませたようだ。各候補の陣営は、27日まで議員票の積み増しに力を入れる。

 議員票では小泉氏がリードする。岸田文雄首相の最側近の木原誠二幹事長代理や立候補を模索した斎藤健経済産業相の支持を取り付けた。ただ、参院を中心に未決定の議員も多く、各陣営が働きかけを強めている。情勢はなお流動的だ。

 総裁選には他に、小林鷹之前経済安保相(49)=二階派=、林芳正官房長官(63)=旧岸田派=、上川陽子外相(71)=同=、加藤勝信元官房長官(68)=茂木派=、河野太郎デジタル相(61)=麻生派=、茂木敏充幹事長(68)=茂木派=が立候補している。

 過去最多の9人が立候補した総裁選は、1回目の投票は議員票368票と党員・党友票を比例配分する地方票368票の計736票で争われる。1回目の投票で過半数を獲得する候補がいなければ、上位2人による決選投票に進む。決選投票は、議員票368票と都道府県1票ずつの47票を合わせた計415票で争われる。各都道府県票は、決選投票に残った2人のうち1回目の党員・党友票が多い候補へ加算される。(藤原慎一)

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