旧統一教会との関係解明、問われる総裁候補の本気度 安倍氏面談写真

自民党総裁選に立候補した9人

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会長らと安倍晋三首相(当時)が面談していたとみられる新事実が明らかになり、教団と自民党の密接な関係への対応が党総裁選(27日投開票)の焦点として浮上した。派閥の裏金事件同様、自民の実態解明への後ろ向きな姿勢が政治不信を招いた経緯があり、党再生を訴える候補者の本気度が問われることになる。

 朝日新聞は安倍氏が2013年の参院選直前、自民党本部の総裁応接室で教団会長らと面談し、その際に撮影されたとみられる複数の写真を報じた。

 朝日新聞の報道に、岸田文雄首相は17日、首相官邸で記者団に「統一教会との関係についてはこれまでも国会答弁などで再三説明させていただいた通りだ」と述べると、再質問を受け付けず足早に立ち去った。

 解散命令を請求した文科省のトップでありながら、教団友好団体との推薦確認書の写真が以前報じられた盛山正仁文部科学相は17日の閣議後会見で「今朝の朝日の1面を拝見したが、こういうことがあったのかなあと思ったということに尽きる」と語った。

 閣僚経験者の一人は今回の問題の政界への影響は少ないとの見方を示し、「あれは完全に安倍さんのつながりだから」と強調する。

 しかし、総裁選の真っただ中に新事実が明るみに出たことで、党内では「教団問題は落ち着いたと思っていたが、これで総裁選も含めて影響が出てくる」(参院中堅)との見方が強まる。複数の関係者は取材に、安倍氏と教団幹部との面会は「教団側による自民党候補者の選挙支援を確認する場だった」と話しており、自民の「組織的な関係はない」(茂木敏充幹事長)というこれまでの説明と矛盾する。

■各総裁候補者はどう対応するか

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