首相、数兆円の経済対策を指示 効果を疑問視する声も

閣議に臨む安倍晋三首相(中央)=2019年11月8日午前8時28分、岩下毅撮影

 安倍晋三首相が8日、経済対策のとりまとめを全閣僚に指示した。自然災害や世界経済の減速、来年の東京五輪や消費増税対策後の景気落ちこみに備えることをねらいとする。予算規模は数兆円に上るとみられる。包括的な経済対策は2016年8月以来だが、増税対策にすでに巨額の予算が投じられる中、さらに歳出を重ねる策の効果を疑問視する声もある。

 西村康稔経済再生相は8日の閣議後会見で、経済対策は3本柱でつくると表明した。「災害対策」「企業・産業支援」「ポスト東京五輪対策」の三つで、今年度の予備費、補正予算に加えて来年度予算も使う「15カ月予算」との位置づけだ。

 災害対策はこの秋に台風被害が相次いだため、河川堤防の強化など治水対策が核となる。昨年の西日本豪雨などを受け、政府は「国土強靱(きょうじん)化のための緊急3カ年対策」に約7兆円規模の投入を始めているが、補正予算で追加策を講じる。気候変動の影響を踏まえた災害対応の検討も始める。

 中小企業向けには、生産性向上につながるIT化やAI(人工知能)の導入、人材育成などを後押しする。日米貿易協定の合意を受けて農林水産業の生産基盤も強化。キャッシュレス決済へのポイント還元など、今の主な消費増税対策が来年6月までに終了するため、その後の消費下支え策も検討する。来夏の五輪後に景気が減速しないよう、訪日外国人客の需要喚起策も図るとした。

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