「反撃能力」自公が容認へ、安保文書に明記方針…専守防衛堅持

首相官邸

 自民、公明両党は、自衛目的で相手のミサイル発射拠点などを破壊する「反撃能力」について、25日の協議で保有を容認する方向で最終調整に入った。厳しい安全保障環境を踏まえ、抑止力強化が必要と判断した。政府は年末までに改定する国家安全保障戦略など3文書に保有を明記する方針だ。

 複数の与党関係者が明らかにした。保有が決まれば、「矛」の役割を米軍に頼り、「盾」に徹してきた戦後の安全保障政策の大きな転換となる。

 自公は25日、3文書改定に向けた与党協議の実務者協議を行い、反撃能力の必要性について基本合意する見通しだ。反撃能力を巡り、自民は4月の提言で保有を求め、対象にミサイル発射拠点に加え、司令部などの「指揮統制機能」を含めた。公明は反撃能力の保有に賛同しつつ、国際法に反する先制攻撃との混同や、対象の拡大に懸念を示している。

 このため、政府は反撃能力の保有を宣言するのに合わせ、「武力行使の新3要件」や、憲法に基づく専守防衛の理念、国際法など、反撃能力を使う場合に順守する法的な原則を確認することを検討している。反撃の対象は「軍事目標」などという表現にとどめ、公明の理解を得たい考えだ。

 武力攻撃・存立危機事態法では、武力攻撃が発生した場合、政府は「対処基本方針」を策定し、閣議決定する。国会で承認が得られれば、武力行使が可能になる。反撃能力の行使も武力行使の一つとして、この手続きで国会が関与する。

 政府は、日本への攻撃の着手や攻撃があった場合に敵領土に反撃することは、自衛権の範囲内で、憲法上、可能だと解釈してきた。

 北朝鮮は近年、ミサイル技術を急速に進展させ、中国も弾道ミサイルを多数保有しており、飛来したミサイルを迎撃するミサイル防衛には限界があると懸念されている。政府の「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」は22日、反撃能力の「保有と増強が不可欠だ」と明記した提言を岸田首相に提出した。

ジャンルで探す