河井夫妻に「説明不足」批判噴出…自民幹部「支持率に影響」

 自民党の河井克行前法相の妻・案里参院議員の陣営が、昨年の参院選で法定額を超える日当を運動員に払ったとされる疑惑で、両氏の説明に与野党から批判が噴出している。事実関係については、捜査を理由に口をつぐんだためだ。政府・与党は通常国会を前に新たな火種を抱えた。

 河井夫妻は広島地検が15日に公職選挙法違反容疑で地元事務所を捜索したことを受け、同日深夜、東京都内の議員宿舎で別々に記者団の取材に応じた。両氏は謝罪の意を示したものの、実際に日当を払ったのかどうかなど焦点となる事実については「説明したい気持ちはあるが、刑事事件として捜査が始まっており、差し控える」(克行氏)などとして説明を避けた。

 前法相の克行氏は、昨年9月の内閣改造で初入閣した。その後、週刊誌が公選法違反疑惑を報じ、閣僚就任から約1か月半で事実上の更迭となった。経済産業相だった自民党の菅原一秀氏も地元選挙区で秘書が香典を渡した問題で辞任し、安倍内閣は新閣僚2人の「ダブル辞任」で大きな打撃を受けた。

 自民党はカジノを中核とした統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件でも揺れており、議員活動を続ける意向を表明した河井夫妻に対する党内の視線は冷ややかだ。自民党幹部は16日、「説明が足りない。党の支持率に影響する」と突き放した。公明党の山口代表は16日の記者会見で「当事者が説明責任を尽くすことは当然のことだ」と語り、河井夫妻の対応に不満をのぞかせた。

 野党は20日召集の通常国会で、IR汚職事件や首相主催の「桜を見る会」などと並び、河井夫妻の問題でも追及を強める構えだ。立憲民主党の芝博一参院国会対策委員長は16日、自民党の末松信介参院国対委員長と会談し、「異常な状況だ。自民党は事情聴取して議院運営委員会でしっかり報告してほしい」と要求した。野党には政治倫理審査会への出席を求める声もある。

 経産相辞任後、沈黙を守っている菅原氏についても、説明を促す声が強まりそうだ。政府・与党内には「河井夫妻や菅原氏の対応次第では、国会運営への影響は避けられない」(自民党幹部)との懸念が広がっている。

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