【政界徒然草】主不在の谷垣グループ 岸田派との合流話も進まず

自民党の谷垣禎一前幹事長(宮川浩和撮影)

 自民党の谷垣禎一前幹事長が特別顧問を務める谷垣グループ(有隣会)と岸田文雄政調会長率いる岸田派(宏池会)との合流話が長期化の様相を呈している。当初は一部議員の兼務や相互の研修会への参加などを通じて関係を構築していく案も浮上したが、これまでに実現していない。グループ内には派閥化や他派との連携を模索する動きもあるが、肝心の谷垣氏が政界復帰する見通しが立たないこともあり、将来像は不透明だ。
組閣当日に研修会
 谷垣グループは11日、東京都内のホテルで研修会を開いた。谷垣氏もひさしぶりに顔を見せ、所属議員は熱心に耳を傾けた。
 ただ、この日はまさに安倍晋三首相が内閣改造・党役員人事を行った当日。結果的に日程が重なってしまったとはいえ、間の悪さにグループ内からも「うちはもともと入閣する人もいないから…」と自嘲する声も聞かれた。
 そもそも、同グループと岸田派の合流話が持ち上がったのは、中心的存在である谷垣氏の政界復帰が期待できない中、結束維持が難しくなっている事情がある。今後も単独で生き残ることができるか見通せないだけに、昨年も石原派(近未来政治研究会)との合流話が浮上した。
 参院選から間もない7月26日には、谷垣グループと岸田派の両幹部が会合を開き、意見交換した。
 合流相手として岸田派が浮上したのは、同グループと同根であることが大きい。代表世話人の逢沢一郎元国対委員長は「特に近しい関係にある」と認める。
 当初は8月までに一部議員の兼務や議員の研修会への相互参加などが浮上していた。ただ、今のところ、そうした動きは表面化していない。岸田派議員は「相手方にもいろんな事情があるようだ」と打ち明ける。
 これまで同グループは谷垣氏の考えもあり、派閥とは異なる政策集団として活動してきた。他派閥との兼務を認め、毎週の例会も各派閥が集まる木曜ではなく、水曜に実施していた。
 ただ、仮に現状のまま岸田派と合流した場合、派閥同士の合併とは違い「単にグループの議員が岸田派に吸収されるだけに終わる」との懸念がある。
まずは派閥化?
 そこで、幹部の1人は「まずは派閥化を考えないといけない。そのうえで高く買ってくれるところと一緒になればいい」と打ち明ける。派閥化に否定的だった谷垣氏も最近は軟化しつつあるという。
 他にも派閥になるメリットはある。派閥化した場合、内閣改造などの人事の際、政府や党に要望を出したり、ポストを獲得しやすくなるからだ。
 ただ、他派閥と掛け持ちしている議員や、菅義偉官房長官に近い若手議員らが退会することになれば、グループの存在感は弱まりかねない。
 さらに、岸田派以外との合流を期待する意見もある。一時は盛り上がった石原派に加え、加藤勝信厚生労働相や小渕優子元経済産業相ら将来の首相候補を多く抱える竹下派(平成研究会)などだ。
 一方、岸田派は参院選で派の議員4人が落選し、所属議員数は46人で二階派(志帥会)に並ばれている状況だ。会長の岸田文雄政調会長が首相を目指すうえでも、勢力拡大は避けて通れない。
 ただ、派内には「別に合流しなくても次の総裁選で岸田会長を応援してもらう関係になっておけばいい」との意見もある。
 グループ幹部は「将来は合流はあるかもしれないが、今の岸田派の様子はじっくりとみなければならない」と指摘。ポスト安倍に対する思惑もからみ、先行きは見通せない。
(政治部 田村龍彦)

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