【数字で占う2018】韓国「建国」70年→未来志向どころか後退 憲法施行70年→1字も変わらず

昨年7月25日、朝鮮戦争休戦64周年(7月27日)に際した朝鮮人民軍の決意大会。この3日後、北朝鮮は弾道ミサイルを発射した=平壌(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 平成30年が幕を開けた。今年は国政選挙が予定されておらず、主な政治日程は9月末に安倍晋三総裁(首相)の任期が満了する自民党総裁選ぐらいだ。一見、凪のようだが、核・ミサイル開発の挑発を緩めない北朝鮮対応は焦眉の急であり、通常国会も開かれて論戦が行われ、自民党を中心とした憲法改正議論の行方も焦点となる。そんな今年1年を「○×周年」を軸に展望してみた。
記念日相次ぐ北朝鮮・韓国
 今年も目が離せないのが北朝鮮の動向だ。昨年、米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)をはじめ弾道ミサイルを15回も発射した。核実験も含め、過去には記念日の前後に強行する例が多いが、今年は節目となる記念日が相次ぐ。
 9月9日には北朝鮮の建国70年を迎える。第二次世界大戦の終結を受け、北朝鮮は1948年のこの日に独立を宣言した。また、7月27日は、1950年に始まった朝鮮戦争が53年に休戦してからちょうど65年となる。北緯38度線近くの板門店で北朝鮮・中国軍が国連軍との間で休戦協定を結んだ。これはあくまで休戦であり、朝鮮半島は現在もなお「戦争状態」にある。そして65年の時を経て、またもきな臭くなっているわけだ。
 脱線するが、11月11日は4年以上に及んだ第一次世界大戦が終結してからちょうど100年となる。くれぐれも「第三次世界大戦」とならないことを祈るばかりである。
 北朝鮮と分断された韓国もまた、節目の年を迎える。8月13日は、初代大統領の李承晩が1948年に韓国の独立を宣言してから70年となる。
 日韓関係で言えば、1998年10月8日の日韓共同宣言から20年になる。当時の小渕恵三首相が、国賓として来日した金大中大統領との間で結び、「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」との副題が付いた。
 「両国が過去を直視し相互理解と信頼に基づいた関係を発展させていく」といった未来志向の文言が並ぶ宣言だが、20年を経ようとしている現在、両国の関係は未来志向どころか後退していると言っていい。慰安婦問題に関する日韓合意の韓国側による不誠実な対応が原因だ。国家間の約束を反故にするかのような文在寅現政権の行動は、あきれるほかない。改めて日韓共同宣言の全文を読んだが、空疎なきれい事が目立ち、現状をかんがみてもむなしさを覚えるばかりだ。
日中は平和友好条約40年
 韓国とは対照的に、日中関係は進展の兆しが見え始めている。安倍首相は習近平国家主席との相互訪問に意欲的だ。まずは今春にも日本での開催が想定される日中韓サミットの調整が要となる。そして日中平和友好条約締結40年となる8月12日が一つのターニングポイントになる可能性がある。春に日中韓サミット出席のため李克強首相の来日が実現すれば、安倍首相と習氏の相互訪問に道筋ができることになりそうだ。
 昨年11月の日中首脳会談で安倍首相は「日中平和友好条約締結40周年を見据えながら、戦略的互恵関係の下、関係改善を引き続き力強く進めたい」と意欲を示し、習氏も大筋で同意した。東シナ海などへの軍事的な海洋進出を緩めない中国との間には不穏な要素があるとはいえ、話し合いに前向きなだけでも日韓関係と比べればましかもしれない。
「世界最古」の憲法
 5月3日は日本国憲法が施行されて70年で、「古希」を迎える。この間、憲法は一字一句変更されていない。駒沢大の西修名誉教授によれば、全く変更していない憲法としては世界最古という。
 強硬な護憲派にとっては、それこそ「世界遺産」のような存在で、「古希」をお祝いするところなのだろうが、果たしてそうか。施行時の昭和23(1948)年と現在ではあらゆる情勢が激変している。9条に関わるところの世界の安全保障環境、防衛システムに限らず、世界有数の経済大国となったことや少子高齢化、学校などの教育と、世の中は大きく変化しているのに憲法が全く変わらないことは、むしろ不自然ではないだろうか。
 安倍首相は昨年5月3日、自民党総裁として自衛隊の存在明記と2020年の新憲法施行を提案した。首相自ら「一石を投じた」と述べたように、その後自民党内での憲法改正議論は以前と比べれば進み、昨年10月の衆院選では自衛隊明記などの改憲4項目を初めて公約の柱に据え、そして自民党は大勝した。
 にも関わらず具体的な改正が国会の日程に上がる見通しは立っていない。憲法を改正するために発足した自民党は今年63年を迎えるが、いまだに「公約」を果たしていない。
明治改元から150年
 10月23日(旧暦9月8日)は慶応から明治に改元されて150年で、すでに昨年から全国各地でさまざまなイベントが実施されている。
 政府も「明治150年をきっかけとして、明治以降の歩みを次世代に遺(のこ)すことや、明治の精神に学び、日本の強みを再認識する」との目的で内閣官房に「『明治150年』関連施策推進室」を立ち上げた。
 現時点で明治150年を記念する政府主催の式典を行うかどうかは定かではないが、50年前の1968(昭和43)年10月23日には、政府主催の「明治百年記念式典」が日本武道館で行われ、当時の佐藤栄作首相が式辞を述べた。
 ちなみに佐藤元首相も現在の安倍首相も明治維新の中心となった長州・山口県出身だ。幕末から明治にかけて多くの人材を輩出した山口や鹿児島(薩摩)などでは明治維新に関する150年事業が予定されているが、福島県会津若松市は「戊辰150周年記念事業」に取り組んでいる。明治150年は、長州や薩摩などの新政府軍が会津などを破った「鳥羽・伏見の戦い」を皮切りにした戊辰戦争開始から150年でもあるからだ。
譲位まで1年
 4月30日は、天皇陛下の譲位まで残り1年となる。翌5月1日は皇太子さまのご即位、そして改元まで1年となる。
 当たり前の話だが、今年5月1日以降は、天皇陛下がこれまで恒例とされてきたさまざまな行事などへのご出席が最後となる。11月3日に皇居で行われる文化勲章の親授式、8月15日の「終戦の日」に日本武道館で開かれる全国戦没者追悼式などだ。
 そして12月23日には最後の天皇誕生日を迎えられ、85歳になられる。ちなみに70年前のこの日は、極東国際軍事裁判(東京裁判)で死刑を宣告された東条英機元首相ら7人に対し巣鴨プリズン(現在の池袋サンシャイン60近辺)で絞首刑が執行された日でもある。 (政治部次長 酒井充)

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