コロナ対策…各国とも債務膨張の懸念

 21、22日に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では、新型コロナウイルス感染症対策や雇用など世界経済の回復について議論。コロナ禍で家計への現金給付など財政出動によって景気を下支えせざるをえない中、各国の債務が膨張するリスクをはらんでいる。G20ではコロナ禍だけでなく、地球環境問題も議論されたが、いずれも一国だけで解決できない課題だけに、さらなる国際協力が求められる。
 各国はコロナ禍に伴う外出自粛などで売り上げが減少した企業への補助金や、雇用を下支えする支援策を相次ぎ実施している。国際通貨基金(IMF)によれば、世界の経済対策は10月半ば時点で約12兆ドル(約1300兆円)に膨らんだ。
 G20に先立ち、IMFのゲオルギエワ専務理事は19日、「各国は財政支援などから早計な撤退を避けるべきだ」と発言し、インフラ投資などの継続を訴えた。欧米を中心に新型コロナが再拡大しており、景気に悪影響を与えかねないからで、さらなる債務の膨張も予想される。
 さらに、G20では新型コロナで打撃を受けた途上国の債務の一部免除を含む追加支援策でも合意している。途上国を支援し、世界経済を下支えする狙いだ。
 だが、財政出動にも限界がある。経済政策で一国の景気を刺激できても、多くの国が入出国制限を行っている現状では貿易や観光などの停滞が世界経済の下押し要因になる。
 これを念頭に、サウジアラビアのサルマン国王は21日の演説で「貿易と人の移動を促進するため、経済活動と国境の再開を支援しないといけない」と強調した。しかし、有力なワクチンが出始めているものの、ワクチンの普及や治療薬の開発にはなお時間がかかるとみられ、その分、貿易や観光の回復も遅れそうだ。(大柳聡庸)

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