自民、次期衆院選で候補者競合区が複数存在 不祥事で対応急務な選挙区も

 次期衆院選は、与党にとって菅義偉(すが・よしひで)首相の就任後、初の大型国政選挙となる。菅内閣が順調に滑り出し、見通しは明るそうに見えるが、自民党ではベテラン議員の地盤を新人らが狙う動きや候補者調整の難航といった不安も多い。公明党もベテランの引退に伴うくら替えなどの課題を抱える。
 自民は政権を奪還した平成24年末の衆院選以来、安倍晋三前総裁の下で国政選挙を6連勝した。党所属衆院議員のうち約3割は24年に初当選した「安倍チルドレン」で、地盤の弱い現職も多い。次は安倍氏が看板とならない初の選挙となるだけに、足腰の強さが試される場ともなる。
 選挙区の候補予定者について、選対幹部は「9割程度固まった」と説明する一方、「地方組織で話し合いがついていないところも複数ある」とも打ち明ける。
 福岡5区では、9選を狙う現職の原田義昭前環境相に世代交代を求める声が出て、福岡県議団は全会一致で栗原渉県議の推薦を決めた。情勢次第では保守分裂選挙となる可能性もある。
 議員の不祥事が暗い影を落とすケースもある。東京15区はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で現職の秋元司被告が離党し、後任は空席だ。広島3区も公職選挙法違反の罪に問われ公判中の元法相、河井克行被告が離党し、後任は手つかずとなっている。
 二階俊博幹事長率いる二階派(志帥会)が絡む公認争いも5選挙区程度残る。新潟2区では、民進党を経て昨年3月に自民に入党した同派の鷲尾英一郎外務副大臣と、細田派(清和政策研究会)の細田健一元農林水産政務官=比例北陸信越=とのつばぜり合いが続く。静岡5区は岸田派(宏池会)の吉川赳氏=比例東海=と無所属で二階派特別会員の細野豪志元環境相が火花を散らす。
 公明は、前回現職が敗れた神奈川6区に、遠山清彦元財務副大臣=比例九州=がくら替えする。東京12区では現職の太田昭宏元国土交通相の後任として岡本三成元外務政務官=比例北関東=が出馬。両氏とも選挙区でいかに知名度を上げるかが課題で、早期の衆院解散は避けたいのが本音だ。(今仲信博、広池慶一)

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