首相、外遊スタート 中国念頭に安倍路線強化

就任後初の外遊を前に羽田空港で報道陣の取材に応じる、菅義偉首相=18日午後、羽田空港(松本健吾撮影)

 菅義偉(すが・よしひで)首相は18日、ベトナム、インドネシアを歴訪するため、政府専用機で羽田空港を出発した。同日夜にベトナムの首都ハノイに到着、就任後初の外国訪問をスタートさせる。タイを含む3カ国は安倍晋三前首相も第2次内閣発足後最初の訪問地に選んだが、米中対立の中、重要性は一層増しており関係強化を図る。
 首相は出発に先立ち、羽田空港で記者団に「東南アジア諸国連合(ASEAN)は、自由で開かれたインド太平洋を実現するために重要なパートナーだ。地域の平和と繁栄のために貢献する決意をしっかりと示したい」と述べた。
 デモの発生などで見送ったが、首相は当初、タイ訪問も予定。初外遊先が安倍氏と重なれば、外交政策での「安倍路線」継承をアピールできる。だが、それ以上にベトナムとインドネシアを選んだのは国際環境の変化も大きい。
 新型コロナウイルスによる混乱に乗じるかのように中国が覇権主義を強め、米中対立が深刻化。「東南アジアの重要性は当時より増している」(外務省関係者)ためだ。
 安倍氏の場合は、最初の訪問国を米国としたかったがオバマ政権と調整がつかず平成25年にタイを含む3カ国を訪れた経緯がある。
 中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は今月、ASEAN各国を訪問した。中国は南シナ海で軍事拠点化を進める一方で、医療支援などを通じて影響力を高めようとしている。このため、日本としても、ASEAN内で政治、経済面で存在感のあるインドネシアやベトナムとの連携強化が欠かせない。
 首相は19日、ハノイでフック首相と会談。中国を念頭に、ルールに基づく国際秩序の構築など「自由で開かれたインド太平洋」の推進を確認する。首相は現地で、政権の外交方針や対ASEAN外交などに関するスピーチも行う予定だ。

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