北方領土「第二次大戦の結果」と露外相が牽制 日露平和条約交渉、本格開始

 【モスクワ=力武崇樹】ロシアを訪問中の河野太郎外相は14日午前(日本時間14日午後)、モスクワ市内でロシアのラブロフ外相と会談した。安倍晋三首相とプーチン大統領が両外相を平和条約締結の「交渉責任者」に指名して初めての協議。ラブロフ氏は会談後の記者会見で「南クリール諸島(北方領土のロシア側呼称)は第二次大戦の結果としてロシア領になったことを日本が認めない限り、領土交渉の進展は望めない」と訴えた。
 今回の外相会談は、21日に開かれる見通しの首脳会談を前に条約締結の前提となる北方領土問題を進展させられるかが焦点だった。
 河野氏は会談の冒頭、「両国首脳の、これまでの両国の立場を超えて平和条約交渉の加速化を行うという合意に基づき、交渉責任者であるわれわれが行う最初の協議だ」と述べ、「2019年が実りある歴史的な年となるよう力を合わせ、共同作業を進めていきたい」と訴えた。
 一方、ラブロフ氏は記者会見で、河野氏との交渉について「本質的な意見の相違があるが、両国首脳の政治的意志に基づき、対話を活性化させる」と述べた。安倍首相が北方領土返還を前提にロシア人住民に帰属変更の理解を求める趣旨の発言をしたことには「受け入れがたい」と批判した。
 ラブロフ氏はまた、会談で日露両国の査証(ビザ)制度の撤廃を求め、第1段階としてロシア極東サハリン州と北海道の間でのビザ無し渡航を提案したことを明らかにした。

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