国内

新生・希望の党、ただの「第2民進」 加計審議で質問時間確保主張も…相も変わらぬ印象操作

学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を審議する衆院文部科学委員会で、質問する希望の党の山井和則氏=15日午前、国会・衆院第17委員室(斎藤良雄撮影)

 希望の党は国会論戦でも「第2民進党」だった-。15日の衆院文部科学委員会は、質問時間配分をめぐる攻防で「5対5」を求めた与党から譲歩を勝ち取った野党が、満を持して学校法人「加計学園」の獣医学部新設認可の追及に臨んだ。立憲民主党が学部新設4条件との整合性などを詰めようとしたのに対し、希望の党は民進党時代のお家芸である「印象操作」を際立たせるばかりだった。(松本学)
 グラスを手に笑顔で写真に納まる安倍晋三首相と学園理事長…。昭恵首相夫人が過去にフェイスブックに掲載した写真は「怪しさ」演出の小道具として野党によって先の通常国会で何度も取り上げられた。そんな手垢(てあか)のついた材料を15日の文科委でも持ち出したのは希望の党の山井和則氏だ。
 「安倍首相の友達だから認可されたという疑惑が払拭されていない!」
 こう声を張り上げた山井氏の物持ちのよさには恐れ入るが、質問内容は民進党の「芸風」を見事に継承していた。山井氏は林芳正文科相に「疑惑」への対応を聞こうと試みた。
 山井氏「不正が明らかになれば(学部新設の)認可取り消しもあるか」
 林氏「仮定の話に答えるのは難しい」
 山井氏「国民が納得しないような瑕疵(かし)が明らかになれば、認可取り消しもありうるということでよろしいか」
 林氏「具体的にどういう瑕疵かが分からないとお答えしかねる」
 山井氏「よく分からない答弁ですが…」
 そもそも「瑕疵」の中身を突き付けて政権にただすのが国会論戦のあるべき姿だ。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の11、12両日の合同世論調査では、野党の質問全般に関し「国民の期待に応える建設的な質問が多い印象」と答えた人は14.2%だった。怪しさの演出に終始する手法は有権者から見透かされている。
 民進党は衆院選を経て立憲民主、希望、会派「無所属の会」に分裂したが、少なくとも希望の党の体質は全く変わっていない。
 ただ、政府の答弁も立派だったとは言いがたかった。立憲民主党の逢坂誠二氏は平成27年に閣議決定された新設4条件に合致する根拠を繰り返し尋ねたが、長坂康正内閣府政務官は「4条件に異論がない中の議論だった」と答えにならない釈明に終始した。

 加計学園の獣医学部新設をめぐる15日の衆院文部科学委員会での主なやりとりは以下の通り。
 自民・義家弘介氏「獣医学部設置の所感と大臣として決意を尋ねる」
 林芳正文部科学相「今回認可された獣医学部における教育が申請内容の通りに確実に実施されることは当然のことだ。国家戦略特区としての新設が認められた前提である先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医師の養成にふさわしい教育、研究活動が適切に実施されることを期待している」
 公明・中野洋昌氏「大学設置・学校法人審議会の中でどのような審査がされたのか」
 林氏「国家戦略特区のプロセスの中で法令に基づき、関係省庁の合意のもと適切に進められてきた。そのプロセスの中で、今回の獣医学部新設が新たなニーズに対応することが認められたと理解している」
 立憲民主・逢坂誠二氏「安倍晋三首相や官邸から何らかの肩入れがあったのではないかといわれている。肩入れや関与は適切なことか」
 林氏「加計学園との関わりについては首相が国会で答弁している通りだ。首相、官邸から松野博一前文部科学相に指示があったことはない。そういうことがあったとすれば、それは適切ではないという認識だ」