弁護士会元会長が和解金流用か 山梨

会見で質問を受ける県弁護士会の甲光俊一会長(中央)=12日、甲府市中央(昌林龍一撮影)

 山梨県弁護士会は12日、同弁護士会所属の平出馨弁護士(80)=甲府市大手=が依頼者への和解金を流用した疑いがあると発表した。弁護士法などに基づき、綱紀委員会で懲戒処分に向けた調査を進めているという。
 同弁護士会によると、平出弁護士は特定の企業に対する出資金返還請求事件を受任。昨年5月に和解が成立したが、依頼者39人のうち、少なくとも8人への和解金計約800万円を流用した疑いが持たれている。
 8人のうち4人が弁護士会に苦情を訴え、4人が平出弁護士の懲戒処分を求めた。これを受けて、弁護士会が事実関係を聴取したところ、平出弁護士は「借金返済に使った」と流用を一部認めた。
 弁護士会は、日本弁護士連合会の規程に基づく調査権限で、直近7カ月間の預かり金口座の取引履歴を調査。和解金の総額は弁護士報酬を含め約4900万円だったが、平出弁護士に入金された口座の残高は1月7日時点で約5万円だったとしている。
 平出弁護士は弁護士会に「1100万円を借金返済に充てた」と説明しており、弁護士会はさらに被害者がいる可能性もあるとしている。
 綱紀委で懲戒にあたる事実が確認されれば、厳重に処分するとしている。
 甲光(こうみつ)俊一会長は「弁護士としてあるまじき行為。迅速に調査し、厳重に処分する」と述べた。「弁護士としての責任感と倫理意識を一層高める努力を重ねる」としている。
 平出弁護士は昭和39年に法曹資格を取得後、同年に県弁護士会に所属。主に民事訴訟を扱い、昭和56年4月から1年間、弁護士会の会長を務めた。ある弁護士は「ここ数年会っていない」と話した。
 平出弁護士の事務所兼自宅の近所の女性(72)は「穏やかな人なのでびっくりした。ここ1週間は家の出入りがない感じです」と驚いた様子だった。

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