元取締役、海外贈賄を否認 司法取引初適用事件初公判

 「司法取引」(協議・合意制度)が初めて適用されたタイの発電所建設事業をめぐる贈賄事件で、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)罪に問われた「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)の元取締役、内田聡被告(64)の初公判が11日、東京地裁(任介(とうすけ)辰哉裁判長)で開かれた。内田被告は「共謀して金銭を供与した事実はない」と述べ起訴内容を否認した。
 共謀したとされる元執行役員、錦田冬彦被告(63)と元部長、辻美樹(よしき)被告(57)は昨年12月の初公判で起訴内容を認めた。
 検察側は冒頭陳述で、「錦田被告らから賄賂の代替手段がないと告げられ、『仕方ないな』などといって支払いを了承した」と指摘。弁護側は「金銭供与の準備が大きく動いていると事後的に報告があった。供与に関与する意思は皆無だった」と反論した。
 地裁は、MHPSが捜査や公判に協力する代わりに、検察側は法人を起訴しないことで合意した司法取引の「合意内容書面」を証拠採用した。
 起訴状によると、内田被告らは、平成27年2月、タイ運輸省港湾局の支局長から工事資材の陸揚げ用の船が許可条件に違反するとの指摘を受け、黙認してもらうなどの便宜を受けるため1100万バーツ(3900万円相当)を支払ったとされる。

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