東名事故後に死亡の夫婦と同型車をあおる「何も思わないのか…」

 神奈川県大井町の東名高速道路で昨年6月、あおり運転を受けて停車させられた夫婦が追突され死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた建設作業員、石橋和歩(かずほ)被告(26)に対する裁判員裁判の第4回公判が6日、横浜地裁(深沢茂之裁判長)で開かれた。この日は石橋被告が東名高速での死亡事故誘発後、同年8月21日に山口市内で起こした強要未遂事件などの審理が行われ、弁護側は「降車させる意思はなかった」などとして争う姿勢を示した。
 検察側は冒頭陳述で「追い抜かれたことに腹を立て、文句を言おうとして後続車を停車させて降車を要求した」と主張した。同乗女性の「(昨年)4月末から8月末にかけて、交通トラブルが10件以上あったと思う」との供述調書を読み上げたほか、石橋被告が別の車を追尾中だったパトカーを「警察のくせに速度を守っていない」と追いかけ、パトカーに急接近するなどの危険運転行為をしていたことも明らかにした。
 また、強要未遂事件の男性被害者=当時(44)=らに対する証人尋問も行われた。男性は石橋被告のあおり運転を受けて車をバイパス上で停車させた際、警察官を呼ぶと、石橋被告が「殺すぞ」「俺は人を殴るために生きている」などと叫んでいたと証言した。
 また、男性の車は東名高速の事故で亡くなった萩山嘉久(はぎやま・よしひさ)さん=同(45)=一家のワゴン車と同型だったといい、男性は「東名での事故から数カ月後にあおり運転をして、何も思わなかったのか」と話した。
 一方、弁護側は強要未遂事件について「文句は言ったが、降車の要求はしていない」と主張。「東名での事故もあり、石橋被告はがまんをしていたが、クラクションを鳴らされたりしたため、がまんの限界に達した」などと述べた。

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